きくクリブログ

2023.07.12更新

植物かぶれについてまとめました

 

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都会の暮らしの中では緑の草木に接することのできる機会が少なくなってきました。野外にでて四季折々の自然の空気や風景に肌でふれあうことは心と身体のリフレッシュには欠かせません。

楽しい野外活動のひとときでご用心いただきたいものの一つが植物かぶれです。ウルシによるアレルギーがよく知られていますがその他にもいろいろな植物が皮膚炎の原因になります。過度に恐れる必要はありませんが遭遇すると結構厄介な代物です。植物かぶれの犯人たちを紹介します。

 

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◆植物かぶれはなぜおこる?

 

かぶれは接触皮膚炎といって触れたものの刺激からおこる皮膚の炎症です。ウルシなどにかぶれると皮膚に赤い斑点ができ強いかゆみを感じます。一口にかぶれ(接触皮膚炎)といってもいろいろな種類があります。

①刺激性接触皮膚炎

洗剤の原液のような強い刺激の成分にふれておきる皮膚炎や水仕事での主婦湿疹のように一度の接触では何ともないが弱い刺激を反復することで炎症をおこしてできる皮膚炎があります。

 

②アレルギー性接触皮膚炎

その物質に対してアレルギーのある人だけが過敏反応をおこして皮膚炎をつくります。植物かぶれの多くはアレルギー性接触皮膚炎ですから同じ植物に誰がさわっても異常をおこすというわけではありません。

 

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◆アレルギーの謎

 

同じ植物にさわって炎症をおこす人と平気な人がいるというのは考えてみれば不思議な話です。この謎を解くのが誰もが耳にしたことがある「アレルギー」という言葉ですがいったいアレルギーってなんでしょうか。この言葉、元々は「普通と違った」「変わっている」という意味で一般には普通と違った体質の人におこる現象とされています。抗原(アレルギーを起こす物質)と抗体(抗原に対抗して体内につくられた物質)の反応からおき免疫反応と同じ仕組みですがアレルギーは過敏反応によって自分の身体にマイナスの作用を及ぼします。

かぶれ(接触皮膚炎)の場合、リンパ球の表面に抗体に相当する抗原受容体(Tリンパ球受容体と呼ばれています)があり抗原と反応します。このようなリンパ球をもっている人に症状があらわれてくるのです。

 

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◆皮膚炎を起こす植物

 

〈野外で〉

植物かぶれの代名詞のようなウルシですが実際には野生のものはそう多くはありません。野外で一番注意しないといけないのは、毒性の強いツタウルシです。イチョウでは種子(銀杏)の周りの悪臭のある部分でかぶれを起こします。イラクサ、マムシグサ、センニンソウなどはアレルギー性ではなく刺毛や液汁に刺激物質を含んでいます。

 

〈庭園で〉

園芸栽培の植物の中にも注意の必要のものがあります。いわゆるサクラソウ皮膚炎の原因のとなるのがトキワザクラです。キクやアネモネ、スイセンといったおなじみのの花も植物かぶれの原因となることがあります。ディフェンバキアのようなサトイモ科の植物は粘膜に対する刺激性が強いので口に入れたりしないように気をつけてください。

 

〈台所で〉

植物かぶれは野外活動や庭いじりの後だけとは限りません。頻度は多くありませんが意外に身近なところで出くわすことがあります。マンゴー、パイナップル、などの果物や三つ葉、レタス、シソ、ニンニクなどの野菜が原因となることがあります。仕事上で大量に扱うひとの場合がほとんどで、一般の家庭ではまれなため洗剤かぶれとよく間違われます。特にセロリはくさった部分を皮膚につけないようにしましょう。

 

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◆植物かぶれをおこしたら

 

暑い季節だからといって草むらに分け入るようなときに手足をむやみに露出せずに長袖を着用することは野外活動のベテランたちの間では常識です。初めて目にすると思っている植物でアレルギーをおこすこともありますから、手袋も忘れずに着用してください。もし植物かぶれの原因となりそうな植物に触ったときは石鹸できれいに洗ってから水でよく洗い流してください。実際に炎症をおこしたら患部を清潔にして赤く腫れて熱をもっていたら冷やしてください。かゆいからかきむしったり自己判断で手許にある塗薬ですませようとするのは禁物です。はやめに皮膚科の専門医にみてもらいかぶれの原因をつきとめ適切な治療を受けてください。

 

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何かご不明点がございましたら当院までお問い合わせください。

 

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投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

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