大腸検査について
2023.02.22更新
大腸検査についてよくある質問をまとめました。
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Q.大腸ってどんな臓器?
A.食物の栄養や水分を吸収して便をつくる大切な臓器です。食物の栄養や水分を吸収して便を作る大切な臓器です。
大腸は長さ1.5~2mほどの臓器です。口から取り込まれた食物は、胃や小腸などで栄養分を吸収されて大腸に送られ、大腸でさらに栄養分や水分を吸収されて便が作られ体外へ排出されます。
日本人は大腸の部位の中でも、肛門に近いS状結腸や直腸にがんができやすいと言われてきましたが、近年は、盲腸、上行結腸、横行結腸にできるがんも増えています。
大腸の断面は層状になっています。内側の粘膜層で栄養分や水分の吸収を行います。外側の筋層は肛門への運動をスムーズに行う役割を持っています。
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Q.大腸がんピークは発症年齢のピークは?
A.ピークは60歳代。40歳代から注意が必要です。
他の部位のがんと同様に、大腸がんも高齢になるにつれて患者数が増加しています。
男女共に40歳代から大腸がんにかかる確率が上がり60歳代でピークを迎えます。まさに働き盛り、そして人生の円熟期に大腸がんは多く発生しているのです。
大腸がんは、早期発見・治療が重要な疾患です。そして40歳代からの定期的な検査が、その後のあなたの健康を支えてくれます。
厚生労働省でもこうしたデータを受けて、老人保健法がん検診項目に大腸がん検診を加えたり、がん検診の無料クーポン券を配布するなど、啓発に努めています。
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Q.大腸がんの自覚症状は?
A.大腸がんは、初期の症状がほとんどない為、自分では気づきにくい病気です。便に微量の血が混じることもありますが、痔のある方はいつもの出血程度と考えて見過ごしてしまいがちです。
自覚症状に気づきにくい大腸がんだからこそ、定期的な検査がとても大切なのです。
なお、症状が進行すると、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、(腹部膨満感)あるいは腹痛、しこり感、貧血、さらに原因不明の体重の減少などがみられますが、これらは大腸のどこの部位にがんができているかによっても異なります。
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Q.早期発見・治療で高い治癒率が期待できますか?
A.大腸がんは、がんによる死因の上位ではありますが、早期発見によって治癒できる可能性が高い疾患でもあります。早期に発見し、適切な治療が出来れば90%以上の大腸がんは治ると言われています。
しかしながら、大腸検査の受診率は40歳以上で男性44.5%、女性では36.9%と半分以下にとどまっています。
大腸がんは症状が出にくい為、自覚症状に気づいて病院を受診した時にはすでに症状が進行している場合も少なくありません。
早期発見・治療、そして治療率向上のためにも、1年に1回の定期的な大腸検査を受けましょう。
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Q.大腸がんの発見から治療の流れは?
A.定期健診(便潜血検査)や問診などで大腸がんが疑われると、がんの有無や部位、広がりなどを調べるために、精密検査(直腸指診や内視鏡検査)が行われます。
◎大腸がんのリスクが高くなる要因…大腸にポリープがある、家族に大腸がん経験者がいる、潰瘍性大腸炎やクローン病にかかったことがある、その他のがんにかかったことがある。
上記の場合は、大腸がんにかかるリスクが高くなると言われています。あてはまる項目がある方は早めに大腸検査を受けるようにしましょう。
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Q.主な大腸検査は?
A.①直腸指診…潤滑剤をつけた手袋で指を肛門から直腸に入れて、しこりや異常の有無を指の感触で調べます。
②注腸X線検査…肛門からバリウムと空気を注入してX線撮影をします。がんの大きさや腸の狭さなどがわかります。
③大腸内視鏡検査…先端にライトとカメラをつけた内視鏡を肛門から入れ、直腸から盲腸までの大腸全体を詳細に調べます。
ポリープなどがあれば、その組織の一部を採取して良性か悪性かなどの病理検査(顕微鏡による検査)をすることもできます。また、必要に応じてその場でポリープや早期がんを切除することも可能です。
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Q.内視鏡を使った治療とは?
A.大腸がんの治療法は、病期によって異なりますが、早期の場合、内視鏡治療が行われます。内視鏡治療は、内視鏡を使って大腸の内側からがんを切り取る方法です。
大腸の粘膜には痛みを感じる神経が無い為、通常は痛みがありません。がんの状態によって、内視鏡的ポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術(EMR)と内視鏡的粘膜下層剥離(ESD)などが選択されます。
◎内視鏡的ポリペクトミー…ワイヤーをかけます→ワイヤーを締め付けます→切り取って回収し組織検査を行います。
◎内視鏡的粘膜切除術…生理食塩水を注射して持ち上げます→ワイヤーをかけて締め付けます→切り取って回収し組織検査を行います。
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