糖尿病の基礎知識

糖尿病とは

すい臓にあるβ細胞からは、インスリンと呼ばれるホルモンが分泌されています。インスリンは血糖値を下げる役割を果たしているため、分泌量が減ったり効き目が悪くなったりすると、高血糖が続くことになります。そして、高血糖状態が続いた時に発症するのが糖尿病です。糖尿病は細かく分けると4種類に分類することができ、それぞれ発症原因や治療法が異なります。

 1型糖尿病2型糖尿病
患者さんの割合 5%以下 90%以上
主な発症年齢 若年(25歳以下)が多い 中年以降が多い
主な誘因 ウィルス感染など 過食、肥満、運動不足、ストレスなど
症状 のどの渇き、多飲・多尿など 無症状のことが多い
体型 やせ型が多い 肥満型が多い
治療方法 インスリン注射が不可欠 食事療法と運動療法が基本。
飲み薬(経口薬)やインスリン注射を併用する場合も多い

 

I型糖尿病

自分のすい臓の細胞に攻撃をしてしまう異常抗体(自己抗体)などによってすい臓のβ細胞のほとんどが破壊され、インスリンを分泌できなくなってしまう病気です。原因の詳細はまだ完全には解明されておらず、15歳以下の子供に発症して急激に進行していく場合と、30歳から50歳くらいに発症して少しずつβ細胞が破壊されていくタイプ(緩徐進行型Ⅰ型糖尿病)があります。いずれも飲み薬では血糖値をコントロールできないため、インスリン注射が必要です。

II型糖尿病

偏った食事や運動不足、肥満、ストレスなどによって発症する糖尿病です。また、場合によっては遺伝が原因になっていることもあります。血糖値が高い状態が続くことですい臓のβ細胞の機能が低下し、インスリン分泌量が減っていきます。また、運動不足や肥満に当てはまる方は、さらにインスリンの効果が悪くなります。そのため食事療法や運動療法をまずは取り入れ、それでも改善されないようでしたら飲み薬を使用することになります。また、飲み薬も効かないくらい進行してしまった場合には、インスリン治療を開始します。

妊娠糖尿病

妊娠中に発見された糖尿病のことを「妊娠糖尿病」と言います。妊娠したことでホルモンに変化が生じ、その結果血糖値が上昇するのが原因だと考えられています。出産後は改善することがほとんどですが、再発する可能性が高いため生活習慣には十分注意しましょう。なお、妊娠中の飲み薬は胎児に影響を与える可能性があるため、インスリン注射を使用することになります。

糖尿病の合併症

糖尿病は、ほとんど初期症状がありません。しかし放置しておくと、合併症を引き起こすことが知られています。できるだけ早めに糖尿病を発見し、合併症を併発しないようにしましょう。以下、糖尿病の三大合併症をご紹介します。

ニンニク注射 1回2,000円

ビタミンB1による注射です。にんにくのにおいがするためこの名前で呼ばれています。疲労回復などの効果があります。

神経障害

比較的早い段階で発症するのが特徴で、末梢神経(脳や脊髄以外の神経)に障害が起きます。具体的には手足の痺れや痛み、異常感覚、立ちくらみ、便秘、下痢、排尿障害、勃起障害、知覚鈍麻といった症状が現れます。また、痛みを感じなくなる事で、場合によっては無痛性心筋梗塞によって突然死することや、少しの傷に気付かず、足が腐ってしてしまう事(壊疽)もあります。

網膜症

網膜とは、眼底(目の奥)にある神経で、たくさんの血管が通っています。糖尿病になると、その血管が詰まったり損傷を受けるため、眼底や硝子体から出血したり、網膜剥離を起こしたりすることになります。また、糖尿病による網膜症は、失明する最も大きな原因にもなっています。そのため糖尿病になった時点で、自覚症状がなくても眼科に定期的に受診し、できるだけ早期に発見し、進行を食い止めるようにしなければなりません。

腎症

腎臓は、体内にある老廃物や毒素を回収し、尿として排出する役割を担っています。糖尿病になると、その腎臓の機能が低下し、最終的には尿が出なくなってしまいます。そうなると老廃物や毒素が体内に溜まり続け、命を落としてしまうこともあるため、透析によって血液をきれいにする必要があります。透析は病院のベッドに長時間縛られる生活になり、体に毒素や、水分を貯めないためにも、厳しい食事制限が課せられてしまいます。

  • 以上の三大合併症の他にも、動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす、高血圧や脂質異常症になるといったことも珍しくありません。血糖値をコントロールして、できるだけ合併症の発症を抑えるようにしましょう。
菊川内科皮膚科クリニック TEL0120-979-893 お気軽にお問い合わせください 内視鏡検査専用TEL:0120-979-893
top_inq_sp.png