きくクリブログ

2025.07.11更新

イボ(疣贅)について
皮膚にできる「イボ」は医学的に「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれ、多くはヒトパピローマウイルス(HPV)感染によるものです。

イボの基本知識から診断、治療、セルフケアまで解説いたします。


疣贅って何?
イボは皮膚の隆起で、多くはHPV感染による「ウイルス性疣贅」です。

ウイルスが微細な傷から侵入し、細胞が増殖して形成されます 。潜伏期間は1〜6ヶ月程度です。

加齢や紫外線が原因の「老人性イボ」など非ウイルス性のものもあります。

 

症状の特性
イボは通常、痛みやかゆみを伴いません。

しかし放置すると増殖し、他者へ感染させるリスクがあります。

ウイルス性イボは表面がざらざらした突起状です。

足の裏のイボは体重で平らになりやすく、歩行時に痛むことがあります。

イボに見られる黒い点は血管の塊です。

 

疣贅が起こるきっかけ
主な原因はHPV感染で、皮膚の傷から侵入します。

直接接触や、プールサイドなどを介した間接接触でも感染します。

免疫力低下時や皮膚に傷がある場合に発生しやすいです。非ウイルス性のイボは、紫外線、加齢、摩擦などが原因です。

 

 

疣贅のタイプ
イボはウイルス性と非ウイルス性に大別されます。

 

ウイルス性イボ

・尋常性疣贅(手足に多いざらざらした突起)

・扁平疣贅(顔や手の甲に多い平らな斑点)

・尖圭コンジローマ(性器周辺のカリフラワー状)

・伝染性軟属腫(子供に多い水いぼ) などがあります。

 

非ウイルス性イボ

・老人性疣贅(加齢・紫外線が原因の茶色い盛り上がり)

・軟性線維腫(首や脇の下のぶら下がったイボ) などがあります。

 

疣贅の発生部位ごとの特性
イボは部位により特性が異なります。

手足のイボは治療に難渋することが多く、足底イボはタコやウオノメと鑑別が必要です。

顔や首のイボは見た目の問題で治療希望が多いです。


疣贅を和らげるためのセルフケアは?
市販薬は角質を柔らかくする効果は期待できますが、ウイルス排除や組織除去はできません。

副作用が生じたら使用を中止し、皮膚科を受診してください。

無理に触ったり潰したりすると、ウイルスが広がり悪化や細菌感染のリスクがあります。

皮膚を清潔に保ち保湿し、免疫力を高める生活習慣も大切です。

 

受診するタイミングは?
イボは放置すると増えたり大きくなったり、他人に感染させるリスクがあるため、早めの受診が推奨されます。

短期間で増大・変化した場合、色や形が変わった場合(悪性腫瘍の可能性も)、痛みやかゆみが出た場合、市販薬が効かない場合は速やかに皮膚科を受診してください。

 

どのような検査が必要で、何を調べる?
皮膚科では主に以下の検査が行われます。

視診でほとんど診断可能ですが 、ダーモスコピー検査で詳細に観察します。

タコやウオノメとの鑑別には角質削りを行い、点状出血を確認します。

悪性腫瘍が疑われる場合は、皮膚生検(病理組織検査)で組織を詳しく調べます。

 

どのような診断と治療が行われるの?
イボの種類や状態に応じ、最適な治療法が選択されます。

 

・液体窒素療法

最も一般的で簡便な治療法です。-196℃の液体窒素でイボを凍結・壊死させます 。複数回繰り返す必要があります 。

 

・炭酸ガスレーザー治療

液体窒素で効果が見られにくい大型・難治性のイボに検討されます 。局所麻酔後、レーザーでイボ組織を蒸発させます 。

 

・内服薬(ヨクイニン)

免疫力向上を促しますが、単独効果は限定的です 。

 

・外用薬

強い酸で組織を腐食させたり、角質を柔らかくしたりします 。

 

どのような診察が行われるの?
医療機関では、まず受付で問診票にご記入いただき、医師がイボの状態を診察します。

イボの種類や治療法を説明し 、最適な治療方針を提案します。

納得いただければ施術を行い、治療後はスキンケアや注意点が説明され、定期的な通院で経過を観察します。

 

最後に…
イボは多くの方が経験する皮膚の悩みですが、適切な診断と治療で改善が期待できます。

放置すると増えたり、他人に感染させたり、まれに皮膚がんが隠れていることもあります。

気になるイボがあれば、お気軽に医療機関にご相談ください。

 


都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

 


~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.07.07更新

脱水症について

「夏は水分を摂りましょう」という言葉はよく聞きますが、実は脱水症は夏だけの病気ではありません。

季節を問わず、様々な状況で誰にでも起こりうる身近な病気です。

「なんとなく体調が悪い」「疲れが取れない」といった、普段見過ごしがちな不調が、実は脱水症のサインかもしれません。

この記事では、脱水症の基礎知識から、ご自身でできるセルフケア、そして医療機関を受診するタイミングまで詳しく解説します。

 

脱水症って何?
脱水症とは、体内の水分と電解質(ナトリウムやカリウムなど)が不足した状態を指します。

体内の水分は体重の約60%を占めており、生命を維持するために非常に重要な役割を担っています。体液が不足すると、体内の臓器が正常に機能できなくなり、様々な不調が現れるのです。

 

症状の特性
脱水症の症状は、軽度から重度まで多岐にわたります。

〇軽度の症状

・口や喉の渇き

・尿量の減少、尿の色が濃くなる

・頭痛、めまい、立ちくらみ

・皮膚や唇の乾燥

〇中度の症状

・強いだるさ、倦怠感

・食欲不振、吐き気

・体温の上昇(熱中症の症状)

・集中力や判断力の低下

〇重度の症状

・意識障害、けいれん

・手足の震え

・血圧の低下

・腎不全など重篤な合併症

 

脱水症が起こるきっかけ

脱水症は、水分摂取量が不足したり、体外へ水分が過剰に排出されたりすることで起こります。

〇水分摂取量の不足

・発熱や下痢、嘔吐など体調不良時

・高齢者や乳幼児で水分補給が不十分な場合

・スポーツや激しい運動で汗を大量にかいた後

〇水分排出量の増加

・多量の発汗(特に高温多湿の環境下)

・下痢や嘔吐

・多尿(糖尿病など)

 

脱水症のタイプ

脱水症は、失われた体液の成分によって3つのタイプに分けられます。

高張性脱水: 体液の水分が電解質よりも多く失われるタイプ。喉の渇きを強く感じます。

等張性脱水: 水分と電解質がバランス良く失われるタイプ。気づきにくいため、注意が必要です。

低張性脱水: 電解質よりも水分が多く失われるタイプ。むくみが出たり、全身倦怠感、食欲不振などが現れます。

 

脱水症の発生部位ごとの特性

脱水症は全身に影響を及ぼしますが、特に影響が出やすい部位があります。

 

①脳: 意識障害や頭痛、めまいを引き起こします。

②腎臓: 尿量が減少し、腎機能が低下します。

③皮膚: 乾燥し、弾力性が失われます。

④消化器: 食欲不振、吐き気、便秘などを引き起こすことがあります。

特に、下痢や嘔吐が原因で脱水症になることもあれば、脱水症が原因で消化器症状が悪化することもあります。

 

脱水症を引き起こす主な疾患

脱水症は、様々な疾患の症状として現れることがあります。

 

感染性胃腸炎: 下痢や嘔吐を伴い、水分や電解質が大量に失われます。

糖尿病: 血糖値が高いと尿量が増え、脱水症になりやすくなります。

熱中症: 高温下で体温調節ができなくなり、多量の発汗で脱水が進みます。

慢性的な消化器疾患: 過敏性腸症候群や**炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)**など、下痢や腹痛が続く病気は、慢性的な脱水状態を引き起こす可能性があります。

 

これらの疾患は、単なる脱水症の症状と思われがちですが、根本に別の病気が隠れていることがあります。

 

脱水症を和らげるためのセルフケアは?

軽度の脱水症であれば、ご自宅でのセルフケアで改善が期待できます。

こまめな水分補給: 喉が渇く前に、少しずつ頻繁に水分を摂りましょう。

塩分・糖分の補給: 水分と一緒に、塩分や糖分も補給することが大切です。スポーツドリンクや経口補水液が効果的です。

経口補水液の活用: 脱水状態の改善には、水やお茶よりも電解質がバランス良く含まれた経口補水液が適しています。

 

受診するタイミングは?

以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

・口の中が乾燥して喋りにくい

・意識がぼんやりする、呼びかけへの反応が鈍い

・尿がほとんど出ない、または色が非常に濃い

・下痢や嘔吐が続いている

・セルフケアをしても症状が改善しない

 

特に、消化器症状が長引く場合は、単なる脱水症ではなく、消化器系の病気が隠れている可能性があります。その場合は、適切な診断と治療が必要です。

 

どのような検査が必要で、何を調べる?
クリニックでは、まず脱水の状態を評価するために、血液検査や尿検査を行います。

 

〇血液検査

ヘモグロビン濃度やヘマトクリット値、電解質(ナトリウム、カリウム、クロール)、腎機能を示すクレアチニンなどを調べ、脱水の程度や全身状態を評価します。

〇尿検査

尿の比重や色、ケトン体などを調べ、脱水の程度を把握します。

 

さらに、下痢や腹痛などの消化器症状が続く場合は、その原因を特定するために、より詳しい検査が必要になることがあります。

「最近、下痢が続いている」「お腹の調子がずっと悪い」といったお悩みはありませんか?

もしかすると、内視鏡検査によって、脱水症の原因となっている病気が見つかるかもしれません。

内視鏡検査は、食道、胃、大腸の粘膜を直接観察できるため、潰瘍や炎症、ポリープなどの異常を早期に発見し、適切な治療へとつなげることができます。

 

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どのような診察が行われるの?
当クリニックでは、まず問診で症状や経過を詳しくお伺いします。

脱水症の程度や原因を判断するため、触診や視診で皮膚の弾力性や口の乾燥状態などを確認します。

もし、下痢や腹痛が慢性的に続く場合は、脱水症の原因を特定するため、さらに詳しい診察や検査についてご提案させていただきます。

 

どのような診断と治療が行われるの?
検査の結果に基づき、脱水症の診断と治療方針を決定します。

軽度〜中度の場合: 経口補水液や点滴による水分・電解質の補給を行います。

重度の場合: 入院して集中的な点滴治療が必要になることもあります。

基礎疾患がある場合: 糖尿病や消化器疾患など、脱水症の原因となっている病気があれば、その治療も並行して行います。

当クリニックでは、消化器専門医が在籍しており、内視鏡検査を含めた専門的な診療が可能です。脱水症の裏に隠れているかもしれない病気を早期に発見し、根本的な治療につなげることが可能です。

 

最後に…
脱水症は身近な病気ですが、放置すると命に関わることもあります。「喉が渇いたな」と感じた時には、すでに脱水が始まっています。

日頃からこまめな水分補給を心がけ、体調に異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

特に、下痢や腹痛が続くなど、気になる消化器症状がある場合は、自己判断せずに一度ご相談ください。

 


都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

 

監修:俊爽会 理事長 

日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 小林俊一

 

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.07.02更新

【消化器内科はどんなときに受診すべき?】


■ 消化器内科とはどのような診療科か
消化器内科では、食道・胃・小腸・大腸といった消化管や、肝臓・胆のう・膵臓といった消化を助ける臓器に関する病気を専門的に診療しています。

たとえば、「お腹が痛い」「胸やけが続く」「便の調子が悪い」といった比較的軽い症状から、がんや慢性の炎症性疾患など重い病気まで、幅広い不調に対応しています。

おなかの不具合は、生活の快適さに直結するだけでなく、早期に発見・治療しないと深刻な疾患に進展することもあります。

早めの受診が健康を守る第一歩です。

 

 

■ どんな症状があれば、消化器内科に行くべき?

「ちょっとした不調だから様子を見よう」と我慢される方も少なくありませんが、以下のような症状がある場合は、

当院の内科外来受診をご検討ください。

 

・胃の痛みや胸やけが長引いている
 市販の薬を使っても改善しない場合、胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎といった疾患が潜んでいることがあります。

 

・食欲が出ない・体重が減ってきた
 原因不明の食欲低下や体重減少は、消化器疾患に限らず、全身の病気が背景にあることも考えられます。

 

・便秘・下痢が続いている
 2週間以上便通異常が続く場合は、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、大腸がんなどの可能性があります。

 

・血便や黒っぽい便が出る
 血液が混じった便やタールのような黒い便は、消化管のどこかで出血が起きているサインかもしれません。

 

・吐き気や嘔吐が続く
 胃腸の炎症や閉塞、または肝胆膵の病気が原因となるケースもあります。長引く場合は要注意です。

 

 

■ 特に注意すべき緊急性の高い症状

以下のような症状は、命に関わる病気の可能性もあるため、できるだけ早く当院へ相談、もしくは救急外来を受診してください。

 

・急激な腹痛、激しい痛み
 急性膵炎、虫垂炎、消化管穿孔など緊急処置が必要な病気のサインかもしれません。

 

・吐血や下血
 吐いたものに血が混じる、赤い便・黒色便が出る場合は、消化管出血の疑いがあり、至急の対応が求められます。

 

・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
 肝臓や胆道系の障害が進行している可能性があります。

 

・高熱を伴う腹痛
 腹膜炎や感染症などが疑われるため、早急な検査が必要です。

 

・脱水症や意識の低下
 嘔吐や下痢が続いて水分補給ができない状態では、脱水や電解質異常による意識障害が起こることもあります。

 

 

■ 受診すべきか迷ったときの判断のポイント

症状が軽くても、次のような場合には受診を考えてみましょう。

 

・市販薬で改善せず、1〜2週間以上続いている

 

・症状が徐々に悪化している

 

・発熱や体重減少、血便など他の症状も出てきた

 

・ご家族に消化器疾患の既往がある(がん、ポリープ、潰瘍など)

 

また、40歳を過ぎた方、たばこやお酒の習慣がある方、ストレスの多い生活を送っている方は、
軽い症状でも早めに医師の診察を受けることが大切です。

 

 

■ 検査・予防目的での消化器内科受診も重要

消化器の病気の中には、症状が出にくいまま進行するものも多いため、症状がなくても定期的な検査を受けることで、病気の早期発見・早期治療が可能になります。

 

・40歳以上の方は、一度胃カメラ・大腸カメラの受診を
 胃がんや大腸がんは、早期に発見できれば治療の選択肢も広がります。

 

・ピロリ菌の検査と除菌
 ピロリ菌は胃がんのリスクに関わる細菌です。陽性の場合は除菌治療を行いましょう。

 

・肝臓・胆のう・膵臓のチェック
 自覚症状が乏しい臓器のため、超音波検査や血液検査での定期的なチェックが効果的です。

 

・家族に消化器疾患がある方は、若いうちからの受診を
 家族歴がある場合、発症リスクが高まる可能性があります。

 

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■ まとめ:消化器の不調は放置せず、早めの相談を

お腹の症状は誰にでも起こるものですが、「大したことない」と思って放置すると、重大な病気が進行してしまうこともあります。

少しでも気になることがあれば、早めに当院を受診し、安心につなげましょう。

当院では、患者様のお悩みや症状に寄り添いながら、総合内科専門医、消化器内視鏡専門医が丁寧に診察・検査・治療を行っています。

定期検査をご希望の方や、不安な症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

医療法人社団 俊爽会 理事長  

日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 小林俊一

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.06.26更新

溶連菌について

 

溶連菌とは

溶連菌は「溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)」という細菌の一種で、主にのどに感染することで発熱やのどの痛みなどの症状を引き起こします。

特にA群β溶連菌が原因になることが多く、子どもから大人までかかることがあります。

<主な症状>

・急に38~39℃くらいの高い熱が出る

・のどの強い痛みがある(唾を飲み込むのもつらいことがあります)

・のどや扁桃腺が赤く腫れる、白い膿がつくこともある

・体や手足に小さな赤い発疹が出ることがある

・舌がイチゴのようにブツブツになる(「イチゴ舌」)

 

頭痛、首のリンパ節の腫れ、腹痛や嘔吐などの症状もみられることがあります。

風邪と違い、咳や鼻水はほとんど出ません。

 

 

原因

溶連菌感染症は、「A群溶血性連鎖球菌(A群β溶連菌)」という細菌が体に感染することで起こります。

主な感染経路には以下のようなものがあります。

 

・飛沫感染
感染者の咳やくしゃみ、会話などで飛び散った唾液や鼻水のしぶきを吸い込むことでうつります。

 

・接触感染
感染者が使ったタオルや食器、ドアノブなどを介して菌が手に付き、その手で口や鼻、目などを触ることで感染します。

 

・食品感染
まれに、溶連菌に汚染された食品を食べることで感染することもあります。

 

・その他の要因

 溶連菌は普段から人の鼻やのどの中にいることもありますが、体調が悪いときや免疫力が低下しているときに発症しやすくなります。

 

 

診断

溶連菌感染症の診断は、主に「症状」と「検査結果」を組み合わせて総合的に行います。

 

<主な検査方法>

現場でよく行われる検査は以下の3つです。

 

1. 迅速抗原検査(迅速診断キット)
綿棒でのどの奥をぬぐい、検体を採取して溶連菌の抗原があるかを調べます。 

結果は5~10分程度で分かり、診察当日に結果が出るため最も一般的に使われています。

ただし、菌が少ない場合や保菌者の場合は正確性に限界があるため、症状と合わせて判断します。

こちらの検査は当院でも行うことができ、10分ほどで結果が分かります。

 

2. 培養検査
綿棒で採取した咽頭ぬぐい液を培養して、溶連菌が実際に増殖するかを確認します。

より正確ですが、結果が出るまで数日~1週間ほどかかります。

 

3. 血液抗体検査(ASO・ASK)
血液を採取して、溶連菌に対する抗体(ASO、ASK)が増えているかを調べます。

抗体は感染後1週間ほどで上昇し始めるため、急性期の診断には向きませんが、合併症の診断や経過観察に使われます。

 

補足検査

合併症(急性糸球体腎炎など)が疑われる場合、尿検査や追加の血液検査を行うこともあります。

 

 

治療

溶連菌感染症の治療は、「抗生物質(抗菌薬)」を飲むことが基本です。

一番よく使われるのは「ペニシリン系」という種類の抗生物質です。アレルギーがある方には他の種類の抗生物質を使うこともあります。

抗生物質を飲み始めると、熱やのどの痛みは1~2日で楽になることが多いです。

ただし、症状が良くなっても自己判断で薬をやめてはいけません。

処方された期間(通常は7~10日間)は、必ず最後まで飲み切ることがとても大切です。

途中で薬をやめてしまうと、体の中に残った溶連菌が再び増えて、症状がぶり返したり、リウマチ熱や腎炎などの合併症を引き起こしたりすることがあります。

抗生物質を飲み始めて24時間ほど経つと、他の人にうつす心配はほとんどなくなります。

 

 

予防

溶連菌は、主に「飛沫感染」と「接触感染」でうつる細菌です。

日常生活でできる予防策をしっかり行うことで、感染を防ぐことができます。

 

<主な予防策>

・こまめな手洗い

外から帰ったとき、食事の前、トイレの後などは、石けんと流水でしっかり手を洗いましょう。

指の間や手首まで丁寧に洗うことが大切です。

 

・うがいの習慣

帰宅時や食事前にうがいをすることで、のどについた菌を洗い流すことができます。

 

・マスクの着用と咳エチケット

咳やくしゃみをするときはマスクを着用したり、口や鼻をハンカチやティッシュ、袖で覆いましょう。

周囲に感染を広げないためにも、マスクの着用は効果的です。

 

・タオルや食器の共用を避ける

家族間でもタオルや食器、歯ブラシなどは別々に使いましょう。

特に感染者がいる場合は、共有を避けてください。

 

・身の回りの消毒

ドアノブやおもちゃなど、よく触れる場所はアルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどでこまめに消毒しましょう。

 

・感染者との濃厚接触を避ける

感染した方との接触はできるだけ控えましょう。

 

・早めの受診と治療

のどの痛みや発熱など、気になる症状があれば早めに医療機関を受診してください。

 

 

症状が悪化した場合…

溶連菌感染症は、抗生物質をしっかり飲めば多くの場合すぐに良くなりますが、治療が不十分だったり、放置したりすると「合併症」と呼ばれる重い病気を引き起こすことがあります。

 

<悪化した場合に起こる主な合併症>

・リウマチ熱
溶連菌感染後2~3週間ほどして発症することがあり、関節が腫れて痛くなったり、心臓に炎症が起きることがあります。まれですが、心臓の弁膜症など後遺症を残すこともあります。

 

・急性糸球体腎炎(きゅうせいしきゅうたいじんえん)
こちらも感染後2~3週間で発症し、腎臓に炎症が起きます。むくみや血尿(赤黒い尿)、高血圧、頭痛などの症状が出ることがあります。

 

・劇症型溶連菌感染症
きわめてまれですが、急激に重症化し、命に関わることもある危険な病気です。急な発熱、強い痛み、意識障害などが現れます。

 

・その他
中耳炎、肺炎、敗血症、皮膚の発疹や紫斑など、さまざまな合併症が起こる可能性があります。

 

 

溶連菌感染症は、症状が軽くなっても自己判断で薬をやめず、必ず医師の指示通りに最後まで飲み切ることが大切です。

 

もし、のどの痛みや発熱が続く、体がむくむ、尿の色が赤黒い、関節が腫れる・痛む、息切れや動悸があるなど、気になる症状が出た場合は、早めにクリニックを受診してください。

 

合併症を防ぐためにも、治療後1か月ほど経ったら尿検査などの経過観察もおすすめしています。不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

 


都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

【監修:俊爽会 理事長 小林俊一】

 

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.06.12更新

疥癬について

★疥癬(かいせん)とは?
疥癬とは、ヒゼンダニ(疥癬虫)という非常に小さなダニが皮膚に寄生することで起こる感染症です。肉眼ではほとんど見えないダニですが、皮膚の角質層にトンネルを掘って寄生し、産卵することで強いかゆみなどの症状を引き起こします。

人から人へ感染する病気で、主に「通常疥癬」と「角化型疥癬(ノルウェー疥癬)」の2つのタイプがあります。

 

症状
疥癬の主な症状は激しいかゆみと皮膚の発疹です。特に夜間、体が温まるとかゆみが強くなるのが特徴です。


1.通常疥癬(つうじょうかいせん)
◌ かゆみ

夜間に特に強くなる激しいかゆみがあります。

◌ 皮 疹

①疥癬トンネル: メスのヒゼンダニが皮膚の角質層に掘った、数mmから1cm程度の灰白色の線状の盛り上がりです。指の間、手首の内側、肘、脇の下、下腹部、陰部、太ももの内側など、皮膚の柔らかい部分によく見られます。

②紅色丘疹(こうしょくきゅうしん): 赤いブツブツが体や四肢に散発します。
③結節(けっせつ): 陰部や脇の下、肘などにやや硬いしこりのようなものができることがあります。


2.角化型疥癬(かくかがたかいせん)(ノルウェー疥癬)
通常疥癬よりも非常に多くのヒゼンダニが寄生する重症型です。免疫力が低下している高齢者や病気の方に多く見られます。

◌ かゆみ

かゆみが軽度であることもありますが、非常に強い場合もあります。

◌ 皮 疹

全身の皮膚が厚くなり、フケのようにボロボロと角質が剥がれ落ちる(落屑)のが特徴です。頭や顔を含め全身に及ぶこともあります。この剥がれ落ちた角質の中には、大量のヒゼンダニが含まれており、感染力が非常に強いです。

 

原因
疥癬の原因は、ヒゼンダニ(疥癬虫)というダニが皮膚に寄生することです。
主な感染経路は3つあります。


1.直接接触感染
最も一般的な感染経路です。皮膚と皮膚が長時間直接触れることで、ダニが移動して感染します。例えば、寝具を共有する、手をつなぐ、抱き合うなどの密な接触が挙げられます。短時間の接触では感染しにくいとされています。
性的接触によって感染することもあります。


2.間接接触感染
患者さんが使用した寝具、衣類、タオルなどを共有することで感染することもありますが、通常疥癬では比較的まれです。


3.角化型疥癬の場合
感染力が非常に強いため、患者さんの皮膚から剥がれ落ちた角質(落屑)に触れ
るだけでも感染する可能性があります。そのため、短時間の接触や、寝具、衣
類、床などに残ったダニを介しても容易に感染が広がります。高齢者施設や病院
などで集団感染の原因となることがあります。
ヒゼンダニは乾燥に弱く、人の体から離れると数時間で感染力が低下します。また、50℃以上の熱で10分程度で死滅します。


治療法
疥癬は自然治癒することはほとんどなく、適切な治療が必要です。治療には内服薬と外用薬があります。

 

治療期間と経過

通常疥癬の場合、しっかりと治療すれば2週間から1ヶ月程度で症状が軽快し、終息することが多いです。
角化型疥癬の場合、ダニの数が非常に多いため、より長期間の治療(約2ヶ月程度)が必要となることがあります。
治療後も、かゆみや発疹がしばらく残ることがありますが、これはダニの死骸や排泄物に対するアレルギー反応であることが多く、心配ありません。しかし、再発の可能性もあるため、治療後も数ヶ月は皮膚の状態を注意深く観察し、医師の指示に従ってフォローアップを受けることが重要です。

 

予防法
疥癬の予防は、感染を広げないために非常に重要です。
1.早期診断と早期治療
かゆみなどの症状が見られたら、早めに皮膚科を受診し、診断と治療を開始することが最も重要です。

 

2.接触を避ける
患者さんとの長時間の肌の直接接触は避けましょう。
寝具、衣類、タオルなどの共有は避け、個別に管理しましょう。特に、パジャマや下着など、肌に直接触れるものは毎日交換することが望ましいです。

 

3.環境整備(特に角化型疥癬の場合)
個室での管理
角化型疥癬の患者さんの場合、感染力が非常に強いため、可能であれば個室で過ごしてもらうことが望ましいです。

 

◌ 衣類・寝具の洗濯・熱処理
患者さんが使用した衣類、シーツ、タオルなどは毎日交換し、50℃以上のお湯に10分以上浸すか、乾燥機にかけるなどして熱処理をしてから洗濯しましょう。洗濯できないものは、ビニール袋に入れて数日間密封しておくことでダニが死滅します。

◌ 掃 除
居室を中心に掃除機で丁寧に掃除しましょう。特に寝具やマットは念入りに掃除機をかけ、剥がれ落ちた角質を除去することが大切です。

◌ 入 浴
患者さんは毎日入浴し、厚くなった角質を優しくこすり落としましょう。入浴は家族の中で最後にするなど、他の人への感染を防ぐ工夫も有効です。浴槽や洗い場は使用後に水で流し、清掃しましょう。


◌ ケア時の感染対策
角化型疥癬の患者さんのケアをする際は、予防着や手袋を着用し、感染拡大を防ぎましょう。

 

まとめ
疥癬は早期に発見し適切な治療と予防策を講じることで治癒が期待できる病気です。ご自身や周囲の方に疑わしい症状が見られた場合は、ためらわずに当院にご相談ください。一緒に根気強く治療していきましょう。

 

 

都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

 

【監修:俊爽会 理事長 小林俊一】

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.05.22更新

 シミとは??

シミとは、肌の一部が周りの皮膚よりも濃い色になって見える状態のことを言います。

紫外線・生活習慣・ホルモンバランスなど複数の要因が重なり、メラニンが皮膚内に蓄積することで発生します。

 

主な原因は?

・紫外線

 UVB(夏の強い日差し):メラニンを過剰生成させ、排出しきれず沈着

 UVA(日常的な弱い光):長期的な曝露でメラノサイトを刺激

・生活習慣
 偏食・運動不足・睡眠不足がターンオーバーを乱し、メラニン排出を阻害。喫煙はビタミンCを消費しシミを悪化

・スキンケアの誤り
 過剰洗顔や刺激成分でバリア機能低下→紫外線ダメージを受けやすくなる

・ホルモンバランス
 ストレス・妊娠・ピル服用でメラノサイトが活性化。肝斑の主因

 

シミの種類と特徴

・老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)30代以降、紫外線の蓄積で出現。境界明瞭な褐色斑
・雀卵斑(そばかす)遺伝性。幼少期から鼻周辺に小斑点
・肝斑 30-40代女性に多く、左右対称の淡い褐色斑。ホルモン関連
・脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)老人性色素斑が隆起した良性腫瘍。加齢と共に増加
・炎症後色素沈着 ニキビ・虫刺されの炎症後に残る。過剰摩擦で悪化
 
予防策

SPF50、SPF++++の日焼け止めを毎日使用→できれば2~3時間に塗り直すとGOODです。

 

ビタミンC→ビタミンCの抗酸化作用の働きにより美白を保てます!!

 

当院ではビタミンC注射を行っております

しみ、そばかす、肌荒れ、日焼け等の色素沈着による肌トラブルの改善、更に疲労回復、風邪の予防、

二日酔いなどにも効果が期待できるため、女性のみならず男性の方にもおすすめです。食事やサプリメントでの摂取では栄養が吸収されるまでに時間がかかりますが、

注射の場合は血管に直接投与をすることで即効性があり効果的と言われております。

この機会に是非お試ししてみてはいかがでしょうか?ihiheart3

 

 

22:00-2:00「肌のゴールデンタイム」に睡眠

なかなか難しい時間ですが、意識するだけでも素晴らしいことだと思います!!

 

~ちょっとした豆知識~

メラニンを抑制できる料理をご紹介します。

・トマトスープ(リコピン豊富なトマトを加熱し、ブロッコリーやじゃがいもを加えるとさらに効果的)

・牛肉とパプリカの炒めもの(ビタミンC豊富なパプリカとLシステインを含む牛肉で肌のターンオーバー促進)

・ベリーナッツヨーグルト(ポリフェノールを含むベリー類とナッツ類をヨーグルトに加えた簡単レシピ)
 
これらの食事もおすすめです。
 
 
 
ご不明点などございましたら、当院までお問い合わせ下さい。

【監修:俊爽会 理事長 小林俊一】
 


都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。
 

 

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.05.15更新

爪水虫(爪白癬)とは

爪水虫は、白癬菌というカビ(真菌)が爪に感染して起こる病気です。足の指の爪に起こることが多いですが、手の指の爪にも起こることがあります。

 

・爪水虫の症状と特徴

爪水虫の症状は、進行の度合いや感染した菌の種類によって様々ですが、一般的には以下のような変化が見られます。

爪の変色: 白く濁ったり、黄色っぽく変色したりします。進行すると、茶色や黒っぽく変色することもあります。
爪の肥厚(厚くなる): 爪が通常よりも厚く盛り上がることがあります。
爪の変形: 爪の形が歪んだり、ボロボロになったり、剥がれやすくなったりします。
爪の表面の凹凸: 爪の表面がザラザラしたり、縦や横に筋が入ったりすることがあります。
爪の脆弱化: 爪がもろくなり、割れやすくなります。
痛みやかゆみ: 初期にはほとんどありませんが、進行して爪が周囲の皮膚に食い込んだりすると、痛みを感じることがあります。かゆみは通常ありません。

・爪水虫の原因

爪水虫の主な原因は、白癬菌というカビの一種です。この菌は、高温多湿な環境を好み、足の裏や指の間の水虫(足白癬)から感染することが多いです。

足白癬からの感染: 足の水虫を放置していると、白癬菌が爪の隙間から侵入し、爪水虫を引き起こすことがあります。これが最も一般的な感染経路です。
家族内感染: 家族に水虫の人がいる場合、バスマットやスリッパなどを共有することで感染することがあります。
温泉やプール、ジムなどの利用: これらの場所は白癬菌が存在しやすい環境であり、素足で歩くことで感染のリスクが高まります。
通気性の悪い靴や靴下: ムレやすい環境は白癬菌の繁殖を促します。
免疫力の低下: 高齢者や免疫力が低下している方は、感染しやすい傾向があります。
外傷: 爪に小さな傷があると、そこから菌が侵入しやすくなります。


・治療法

爪水虫は自然に治ることはほとんどなく、適切な治療が必要です。治療法には、大きく分けて外用療法と内服療法があります。

・外用療法(塗り薬)

爪の表面に直接塗る抗真菌薬です。

以前は浸透性が低い薬が多かったのですが、近年では爪への浸透性を高めた新しい外用薬が登場しています。
爪の表面だけの比較的軽度な感染に適応されます。
効果が出るまでに時間がかかることがありますので根気強く続けることが大切です。
爪の厚い部分には、やすりで表面を削ってから塗ると、薬の浸透が良くなることがあります。ただし、自己判断で行わず、医師の指示に従ってください

・内服療法(飲み薬)

抗真菌薬を内服することで、体の内側から白癬菌を駆除します。

外用療法よりも効果が高いとされています。
爪の奥深くまで感染が広がっている場合や、複数の爪に感染している場合に適応されます。

・内服薬の種類と特徴
イトラコナゾール: パルス療法(一定期間服用と休薬を繰り返す方法)と持続療法があります。他の薬との飲み合わせに注意が必要です。
テルビナフィン: 比較的短期間で効果が期待できます。肝機能に注意が必要です。
ホスラブコナゾール: 新しい内服薬で、比較的副作用が少ないとされています。他の薬との飲み合わせに注意が必要です。
内服薬は、肝機能障害などの副作用が出ることがありますので、定期的な血液検査が必要です。必ず医師の指示を守って服用してください。

・その他の治療法(補助的な治療)

爪のケア: 厚くなった爪を薄くしたり、変形した部分を整えたりすることで、外用薬の浸透を助けたり、症状の緩和につながることがあります。ただし、無理に行うと爪を傷つける可能性があるため、医師や専門家の指導のもとで行ってください
レーザー治療: 近年、新しい治療法としてレーザー治療を行う医療機関も出てきていますが、まだ保険適用外であり、効果や安全性については十分な情報がない場合もあります
どの治療法が最適かは、爪の状態、感染の程度、患者さんの年齢や基礎疾患、内服薬の適応などを考慮して、医師が判断します。自己判断で市販薬を使用したり、治療を中断したりせず、必ず医師の指示に従ってください。

 

・治療期間

爪が生え変わるのには時間がかかるため、爪水虫の治療には根気が必要です。

手の爪の場合:約半年
足の爪の場合:約1年
治療期間は、感染の程度や爪の生え変わる速度によって個人差があります。医師の指示に従い、最後までしっかりと治療を続けることが大切です。

 

・予防法

爪水虫を予防するためには、日常生活で以下の点に注意しましょう。

足を清潔に保つ: 毎日入浴し、指の間まで丁寧に洗い、しっかりと乾燥させましょう。
通気性の良い靴下や靴を選ぶ: ムレにくい素材を選び、同じ靴を毎日履くのは避けましょう。
靴を乾燥させる: 履いた靴は陰干しするなどして、十分に乾燥させましょう。
裸足で歩かない: 公共の場所(温泉、プール、ジムなど)では、スリッパやサンダルを履きましょう。
家族に水虫の人がいる場合は注意する: バスマットやタオル、スリッパなどを共有しないようにしましょう。
足白癬(水虫)を早期に治療する: 足に水虫の症状がある場合は、早めに皮膚科を受診して治療しましょう。
爪を清潔に保ち、深爪をしない: 爪を清潔に保ち、適切な長さに切りましょう。深爪は菌が侵入する原因になることがあります。


・最後に

爪水虫は、見た目の問題だけでなく、放置すると症状が悪化したり、他の人に感染させてしまう可能性もあります。気になる症状があれば、自己判断せずに早めに皮膚科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

何かご不明な点や心配なことがあれば、遠慮なくお尋ねください。一緒に根気強く治療していきましょう。

 

都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

【監修:俊爽会 理事長 小林俊一】

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.05.01更新

◎頭皮のフケやかゆみについて

 

①原因と病態

頭皮のフケやかゆみは、さまざまな原因によって引き起こされます。主な原因としては、以下のものが挙げられます。

・脂漏性皮膚炎:皮脂の分泌が多い人に起こりやすく、マラセチア菌というカビが関与しています。赤い湿疹や黄色っぽいフケが見られます。

・乾燥性皮膚炎:頭皮の乾燥によってバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなることで起こります。細かい白いフケが出ることが多いです。

・接触性皮膚炎:シャンプーやリンス、ヘアカラー剤などが合わない場合に起こります。かゆみや赤み、かぶれなどが現れます。

・乾 癬免疫の異常によって皮膚の細胞が過剰に増殖し、赤い発疹銀白色のフケが現れます。

・アトピー性皮膚炎アレルギー体質の人に多く見られ、かゆみを伴う湿疹が頭皮にも現れることがあります。

 

②検査と診断

フケやかゆみの原因を特定するために、以下の検査を行うことがあります。

・視 診頭皮の状態を観察し、フケの種類や湿疹の有無などを確認します。

・真菌検査フケを採取し、顕微鏡でマラセチア菌などの真菌の有無を確認します。

・パッチテスト接触性皮膚炎が疑われる場合に、原因となる可能性のある物質を皮膚に貼り、反応を確認します。

 

③治療法

治療法は原因によって異なりますが、主に以下のものが用いられます。

・抗真菌薬脂漏性皮膚炎の場合、マラセチア菌の増殖を抑える抗真菌薬のシャンプーや外用薬を使用します。

・ステロイド外用薬炎症を抑えるために、ステロイド外用薬を使用することがあります。

・保湿剤:乾燥性皮膚炎の場合、保湿剤で頭皮の乾燥を防ぎます。

・抗ヒスタミン薬かゆみが強い場合、抗ヒスタミン薬の内服薬を使用することがあります。

 

④食生活での注意点

・ビタミンB群、ビタミンC、亜鉛皮膚の健康維持に必要な栄養素です。バランスの取れた食事を心がけましょう。

・刺激物、脂っこいもの、アルコール皮脂の分泌を増やし、症状を悪化させる可能性があります。控えめにしましょう。

 

⑤日常生活での注意点

・シャンプー低刺激性のシャンプーを選び、爪を立てずに優しく洗いましょう。

・すすぎシャンプーやリンスが残らないように、十分にすすぎましょう。

・乾 燥:洗髪後は、ドライヤーでしっかり乾かしましょう。

・ヘアケアヘアカラーやパーマは、頭皮への刺激となることがあります。頻度を控えめにしましょう。

・睡眠とストレス睡眠不足やストレスは、ホルモンバランスを崩し、症状を悪化させる可能性があります。十分な睡眠とストレス解消を心がけましょう。

 

⑥その他

フケやかゆみが気になる場合は、自己判断せずに皮膚科を受診しましょう。

症状に合わせて、適切な治療薬やケア方法を選ぶことが大切です。

ご自身の症状や頭皮の状態について、気になることがあれば遠慮なくご質問ください。

 

 

 

 

都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

 

 

 

【監修:俊爽会 理事長 小林俊一】

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.04.17更新

◎アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す、慢性の皮膚疾患です。乳幼児期に発症することが多く、成長とともに自然に治ることもありますが、大人になっても症状が続く場合があります。

 

・原因と病態

アトピー性皮膚炎の主な原因は、以下の3つが複雑に絡み合っていると考えられています。

 

①皮膚のバリア機能の低下:

皮膚の表面には、外部からの刺激や異物の侵入を防ぐバリア機能があります。アトピー性皮膚炎の方では、このバリア機能が低下しており、刺激物質やアレルゲンが皮膚に侵入しやすくなっています。

②アレルギー体質:

ダニ、ハウスダスト、食物などのアレルゲンに対て、過剰な免疫反応を起こしやすい体質です。

③遺伝的要因:

ご家族にアトピー性皮膚炎の方がいる場合、発症リスが高くなることがあります。

 

 これらの要因が重なることで、皮膚に炎症が起こり、かゆみや湿疹などの症状が現れます。

 

・症状

主な症状は、かゆみを伴う湿疹です。湿疹は、赤み、ブツブツ、ジュクジュク、カサカサなど、様々な形態で現れます。症状が現れやすい部位は、年齢によって異なります。

 

・乳幼児期:顔、首、肘や膝の内側など

・小児期:首、肘や膝の内側、手足など

・成人期:首、肘や膝の内側、背中、胸など

 

かゆみが強いと、かきむしってしまうことがあります。

かきむしると、皮膚のバリア機能がさらに低下し、症状が悪化するという悪循環に陥ることがあります。

 

・検査
アトピー性皮膚炎の診断は、主に問診と視診で行います。必要に応じて、以下の検査を行うことがあります。

 

アレルギー検査:血液検査や皮膚テストでアレルゲンを特定します。
皮膚生検:皮膚の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べます。


・治療法
アトピー性皮膚炎の治療は、症状の程度や年齢に合わせて、薬物療法とスキンケアを中心に、以下のような方法を組み合わせて行います。

 

①薬物療法

・ステロイド外用薬:炎症を抑え、かゆみを和らげます。

・タクロリムス外用薬、デルゴシチブ外用薬:ステロイド外用薬の効果が不十分な場合や、副作用が心配される場合に使用します。

・抗ヒスタミン薬:かゆみを抑えます。

・生物学的製剤:重症のアトピー性皮膚炎に使用します。

 

②スキンケア

・保湿剤:皮膚のバリア機能を補い、乾燥を防ぎます。

・清 潔:汗や汚れを洗い流し、皮膚を清潔に保ちます。

 

③悪化要因の除去

・アレルゲンの除去:ダニ、ハウスダスト、食物などのアレルゲンをできるだけ除去します。

・刺激物の回避:刺激の強い石鹸や化粧品、衣類などを避けます。


・食生活での注意点
アトピー性皮膚炎の方は、特定の食物アレルギーを持っていることがあります。アレルギー検査でアレルゲンが特定された場合は、その食物を避けるようにしましょう。

また、バランスの取れた食生活を心がけ、腸内環境を整えることも大切です。

 

・日常生活での注意点


・十分な睡眠:睡眠不足は、皮膚のバリア機能を低下させ、症状を悪させることがあります。

・ストレスの軽減:ストレスも、アトピー性皮膚炎の悪化要因となりす。リラックスできる時間を作り、ストレスを解消しましょう。

・適切な室温・湿度:乾燥した空気は、皮膚のバリア機能を低下させす。加湿器などを使用して、適切な室温・湿度を保ちましょう。

・衣類:綿など、肌に優しい素材の衣類を選び、締め付けの少ないもを着用しましょう。

 

・最後に

アトピー性皮膚炎は、根気強く治療を続けることが大切です。症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことがありますが、焦らずに、医師と相談しながら治療を進めていきましょう。

 

 

 

都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

 

 

 

【監修:俊爽会 理事長 小林俊一】

 

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2025.04.10更新

◎帯状疱疹とは

 帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)と同じウイルスによって引き起こされる皮膚の病気です。子供の頃に水ぼうそうにかかった後、ウイルスは神経節に潜伏し、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下すると再び活性化して帯状疱疹として発症します。

 

・原因と病態

 原因:水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)の再活性化

 病態 : ウイルスが神経を伝って皮膚に到達し、神経の走行に沿って赤い発疹や水ぶくれが現れます。多くの場合、体の左右どちらか一方に症状が現れます。皮膚症状だけでなく、神経痛を伴うことが多く、痛みの程度は人によって異なります。


・症状

 初期には、皮膚の違和感やかゆみ、ピリピリとした痛みなどが現れます。

 その後、赤い発疹が現れ、水ぶくれが形成されます。

 水ぶくれは破れてかさぶたになり、数週間で治ります。

 主な症状は皮膚の痛み、発疹、水ぶくれなどです。

 重症化すると、発熱や頭痛、リンパ節の腫れなどを伴うことがあります。

 合併症として、帯状疱疹後神経痛(PHN)が残ることがあります。


・検査と診断

 問診と視診で診断することが多いです。

 水ぶくれの内容物を採取してウイルス検査を行うこともあります。


・治療法

 抗ウイルス薬:ウイルスの増殖を抑え、症状の悪化を防ぎます。

 鎮痛薬:痛みを和らげます。

 外用薬:皮膚の炎症を抑えます。

 ※重症化が懸念される場合は、入院治療を行うこともあります。


・食生活での注意点

 免疫力を高めるために、バランスの取れた食事を心がけましょう。

 ビタミンB群、ビタミンC、亜鉛など、免疫機能に関わる栄養素を積極的に摂取しましょう。

 疲労やストレスを避けるために、十分な睡眠と休息を取りましょう。


・日常生活での注意点

 安静を保ち、過労やストレスを避けましょう。水ぶくれは破らないように注意し、清潔に保ちましょう。

 痛みが強い場合は、無理をせずに医療機関を受診しましょう。

 水痘・帯状疱疹ウイルスは接触感染するため、水疱瘡にかかったことのない乳幼児との接触は避けてください。


・予防

 50歳以上の方には、帯状疱疹ワクチンが推奨されます。

 ワクチン接種により、発症リスクや重症化リスクを減らすことができます。


・合併症

 帯状疱疹後神経痛(PHN):皮膚症状が治った後も、長期間痛みが残ることがあります。

 眼や耳の合併症:顔面に帯状疱疹ができた場合、眼や耳に合併症を引き起こすことがあります。

 その他の合併症:まれに、脳炎や髄膜炎などを引き起こすことがあります。

 

 ※帯状疱疹は早期の治療が大切です。

  症状が現れたら、早めに皮膚科を受診しましょう。

 

 

都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

 

 

 

【監修:俊爽会 理事長 小林俊一】

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

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