糖尿病内服治療について

糖尿病にはいくつかの治療法がありますが、その中の一つが飲み薬によって血液中のHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)をコントロールすることです。HbA1cとは血糖値の1~2カ月の平均の値になります。

HbA1cの目標値
  • 血糖正常化を目指す時の目標 6.0未満
  • 合併症を予防するための目標 7.0未満
  • 治療強化が困難な時の目標 8.0未満

なお、糖尿病の飲み薬には、以下の4つの種類があります。

①インスリン分泌を促す薬

超速効型インスリン分泌薬

一時的にインスリンの分泌を促進する薬です。効き目が早いため、食事の直前に飲んで、血糖値の上昇を抑制します。ただし、薬を内服した後すぐに食事を摂らないと、低血糖になってしまう可能性があります。

スルホニル尿素薬

長時間に亘ってインスリンの分泌を促進する薬です。血糖を下げる効果は強いですが、他の薬に比べ低血糖になりやすく、食欲が増えて体重が増加しやすいといった副作用があります。

DPP-4阻害薬

食事をした時にインスリン分泌を促すのが、インクレチンと呼ばれるホルモンです。そのインクレチンを分解する酵素DPP-4を阻害することで、インクレチンの量を増やすお薬がDPP-4阻害薬です。血糖値が高い時だけにインスリンが増えるため、低血糖・体重増加といった副作用が少ないのが特徴です。

インスリンの効き目を高める薬

ビグアナイド剤

肝臓から放出される糖の量を減らし、筋肉で糖や脂肪を燃焼しやすくすることで、インスリンの効果を高めるお薬です。高齢者や腎臓が悪い方、お酒を飲む方の場合、極めて稀に重篤な副作用を起こすことがあります。

チアゾリジン系薬剤

インスリンの働きを良くし、筋肉や脂肪で糖を代謝させやすくするのがアディポネクチンです。チアゾリジン系薬剤は、脂肪細胞の分化を促進することによってアディポネクチンの分泌量を増やし、インスリンの効き目を改善していきます。副作用として浮腫の可能性があるため、心不全の方には使えません。また、貧血になる可能性もあります。

糖の吸収を遅らせる薬

αグルコシダーゼ阻害薬

食事の直前に飲むことで二糖類の分解を阻害します。そうすることで糖質の吸収が遅れ、食後の血糖値の上昇が緩やかになります。副作用としては、お腹が張っておならが出やすくなる、肝機能に障害をきたすといったことが可能性としてあります。このお薬だけでは低血糖にはなりにくいのですが、他の薬と併用して低血糖になった時は、ブドウ糖を摂取する必要があります。

糖を排出しやすくする薬

SGLT2阻害薬

尿中に排泄される糖の量を増やし、血糖値を下げます。体重が減少する効果も期待できるため、脂質の代謝改善、血圧の低下にも繋がります。尿量が増えるため、脱水や膀胱炎、皮疹になる可能性があります。特に夏場は、水分をこまめにとるようにしましょう。

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