小児アトピー性皮膚炎について
2023.05.17更新
小児アトピー性皮膚炎についてまとめました
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◆アトピー性皮膚炎ってどんな病気?
・かゆみのある湿疹が良くなったり悪くなったりを長く繰り返す病気です。
・かゆみがひどくて眠れないことがあります。
・10歳以上になると自然に軽くなり、ほとんど治ってしまう事もあります。
・乳幼児の時のアトピー性皮膚炎が悪いままだと、成長するにつれて食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎など他のアレルギー症状がでることもあります。
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◆正常な皮膚とアトピー性皮膚炎の皮膚は違うの?
・正常な皮膚は保湿因子によって皮膚バリア機能が保たれており、体の外からの刺激やアレルゲン(アレルギーの原因となるもの)などが入ってこないようになっています。
・アトピー性皮膚炎の患者さんは皮膚バリア機能が低下しているため体の外から刺激やアレルゲンなどが簡単に皮膚の中に入ってきてしまいます。その結果炎症が起きて様々な症状があらわれます。
・アトピー性皮膚の患者さんは湿疹がある部分だけでなく湿疹がない部分でも皮膚バリア機能が低下しています。またかゆみの知覚神経が伸びてかゆみを感じやすくなっています。
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◆アトピー性皮膚炎の治療目標とは?
・短期、中期の治療目標
①湿疹が治まっている、もしくは軽い
②皮膚を掻かないでいられる
③お薬による治療により皮膚をいい状態に保てている。
・長期の治療目標
日常生活に支障がなくスキンケアのみで皮膚をいい状態に保てている
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・アトピー性皮膚炎は短期間の治療で湿疹などの症状を一時的によくすることができます。
・正しい治療をおこない、湿疹などの症状が出ない状態を長く続けることが出来ればお薬の量を減らしたり、お薬をつかわないですむようになります。
・正しい治療を続けて皮膚バリア機能が整ってくると「アトピー性皮膚炎の悪循環」から抜け出せるようになります。
・治療目標を定めて治療をおこなうことで前向きに治療に臨むことができるようになります。
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◆アトピー性皮膚炎に治療ってどうするの?
アトピー性皮膚炎は人それぞれの症状に合わせて「悪化させる原因の検索と対応」「スキンケア」「お薬による治療」の3つを組み合わせた治療をおこなっていきます。
①悪化させる原因の検索と対応
アトピー性皮膚炎では人それぞれ悪化させる原因が異なります。悪化させる原因の除去は治療前や治療中に検査などで確認してから必要に応じて医師の指導のもと行います。
☆悪化させる主な原因
食物、汗、乾燥。掻き壊し、ダニ、ほこり、花粉、細菌 ほか
②スキンケア
アトピー性皮膚炎では皮膚バリアが低下しています。適切なスキンケアで皮膚バリア機能を補います。スキンケアによってかゆみが軽減することもあります。
☆皮膚を清潔にたもつため
・汚れは速やかに落としましょう
・汗をかいた時はそのままにせず、すすいだりおしぼりで拭くなどしましょう。
・体を洗う時は強くこすらないように手で洗いましょう。
・ぬるめのお湯を使いましょう
☆皮膚に潤いを与えるために
・保湿、保護外用薬を用いて皮膚の乾燥を防ぎましょう。
☆その他スキンケアのために良いこと
・室内を清潔にし、適温、適湿を保ちましょう。
・衣類の洗剤は十分にすすぎましょう。
・皮膚を傷つけないように爪は短く切りましょう。
③お薬による治療
アトピー性皮膚炎のかゆみや炎症を抑えるための塗り薬や皮膚の乾燥を防ぐための塗り薬を使います。必要に応じて飲み薬を使うこともあります。
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何かご不明点がございましたら当院までお問い合わせください。
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