きくクリブログ

2023.05.17更新

コレステロールと生活習慣について

 

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◆「コレステロール」・「中性脂肪(トリグリセリド)」とは?

 

「コレステロール」や「中性脂肪(トリグリセリド)」は体内にある脂質の一種です。悪者扱いされることがありますがどちらも私たちのからだになくてはならない物質です。脂質は水となじみやすいタンパク質と結びついて血液中に存在し全身に運ばれます。

 

・コレステロール

からだの中のコレステロールには、①細胞膜の主な材料、②副腎皮質ホルモンや性ホルモンの原料、③脂肪の消化に必要な胆汁の主成分になる、などのはたらきがあります。コレステロールの約2/3は体内(主に肝臓)でつくられ約1/3は食事からとりいれられます。血液中のコレステロールはどのリポ蛋白に含まれているかにより、LDL(悪玉)コレステロールと、HDL(善玉)コレステロールがあります。

LDLコレステロール→肝臓から体内の各臓器へコレステロールを運びます。増えすぎると動脈硬化の原因になります。

HDLコレステロール→血管や体内にたまった余分なコレステロールを回収し肝臓に戻します。動脈硬化を防ぐはたらきがあります。

 

・中性脂肪(トリグリセリド)

中性脂肪(トリグリセリド)は私たちが活動するときのエネルギー源になるほか保温を保ったり外部の衝撃から内臓ををまもるはたらきがあります。主に糖分や脂肪酸を材料として肝臓でつくられ、肝臓や脂肪組織に蓄えられます。アルコールはこれらを促進します。血液中の中性脂肪(トリグリセリド)が増えすぎるとHDLコレステロールは逆に減少し動脈硬化が促進されます。

 

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◆コレステロールが高い状態が続くと

 

・脂質異常症と動脈硬化

血液中のLDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)が増えすぎたりHDLコレステロールが少なくなる状態を「脂質異常症」といいます。

LDLコレステロールが高いと血管の壁に滲みでて溜まり、血管の内側が狭く硬くなり、血液が流れにくくなります。この状態を「動脈硬化」といいます。

脂質異常症も動脈硬化も痛みやかゆみなどの自覚症状のないことが多い為放置しがちです。

 

・動脈硬化により起こる病気(動脈硬化性疾患)

動脈硬化が進むと、血管の内側がさらに狭くなります。脳や心臓の血流が悪くなると血管の壁が破れて血栓ができ血管が詰まったりします。すると下記のような病気を発症する危険性が高くなります。

脳→脳梗塞  心臓→狭心症、心筋梗塞  手足など→末梢動脈疾患(PAD)

 

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◆コレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)が高くなる原因

・生活習慣の乱れ

脂質異常症の多くは生活習慣の乱れが原因です。最近はこどもでも食生活の乱れや運動不足によって脂質異常症が増えています。

 

・体質(遺伝性)

遺伝的な要因が原因になることがあります(家族性高コレステロール血症)。若いうちから発症すると若年性の心筋梗塞が起こりやすくなります。

 

・喫煙

たばこの煙にはHDLコレステロールを下げる有害成分が含まれています。

 

・その他の影響

糖尿病、甲状腺機能低下症、腎不全などの病気が原因になることもあります。また、加齢や閉経によりLDLコレステロールが高くなることがあります。

 

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◆治療の目的と内容

脂質異常症は長期間にわたり治療を続けることが大切です。これまでの生活習慣で改善すべき点や病気のことをよく理解しましょう。

 

・治療の目的

血液中の脂質を良好な値にコントロールして、動脈硬化や動脈硬化により起こる病気(心筋梗塞など動脈硬化性疾患)を予防することです。

 

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◆生活習慣の改善

長年続けてきた習慣を変えるのは、簡単なことではありまんが、できるところから少しずつ着実に変えていくことが大切です。

また、がんばりすぎてストレスをためないように長く続けられる方法を見つけましょう。生活習慣病の予防や健康づくりにもつながるので家族みんなでとりくむのもひとつの方法です。

 

・食生活を変える

①総エネルギー摂取量を正しくする

自分に合ったエネルギー摂取量を知り適正体重を維持しましょう。食事は腹8分目にとどめましょう。

総エネルギー摂取量=目標とする体重 × 身体活動量

 

②栄養をバランスよくとる

食べる量に気を付けながらいろいろな食品をまんべんなく食べるように心がけましょう。タンパク質は肉より魚を脂質は動物性より植物性のものを選びましょう。

 

◆運動をはじめる

脂質異常症の予防や治療では、食生活の改善とともに運動不足を解消することが重要です。運動が苦手な方も日々の生活の中でこまめに体を動かすように心がけ、習慣にしていきましょう。

 

◆その他の改善点

①禁煙する

喫煙は動脈硬化や心筋梗塞の危険因子であり血管内皮機能障害が報告されています。できるだけ早く禁煙しましょう。

 

②体重をコントロールする

肥満があると脂質や糖の代謝異常を起こしやすくなります。体重をきちんとコントロールしましょう。

 

③ストレス・疲れを解消する

ストレスにさらされていると心身の緊張が高まり脂質異常症や動脈硬化の悪化につながります。からだを動かす、はたらきすぎない、ゆっくりお風呂に入るなど自分に合った解消方法をみつけましょう。

 

④生活リズムを整える

睡眠不足や生活リズムの乱れは脂質代謝に悪い影響を与えます。十分な睡眠規則正しい生活リズムを心がけましょう。

 

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何かご不明点がございましたら当院までお問い合わせください。

 

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投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

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