きくクリブログ

2023.03.18更新

鉄と鉄欠乏性貧血についてよくある質問をまとめました。

 

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Q.鉄の働きは?

 

A.鉄は私たちの身体の中で、酵素の運搬や呼吸、エネルギーの産生、DNAの合成などさまざまな活動に関わっており、生命活動に欠かせない元素です。

・血液中の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の成分として酸素の運搬に関わる。

・細胞内の酵素と結びついて、さまざまな生命活動に関わる。(呼吸、エネルギーの産生、筋肉への酵素の運搬・貯蔵、DNAの合成など)

・肝臓や骨髄などに「貯蔵鉄」として貯えられ、鉄が足りない時に、必要に応じて血液中に放出される。

 

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Q.鉄は体の中でどう使われる?

 

A.食事に含まれている鉄は小腸から吸収され、血管を通じて全身に運ばれます。そのうち約60%は赤血球に含まれるヘモグロビンの成分となり、約30%は「貯蔵鉄」として肝臓などに貯えられます。

 残りは、全身の細胞で酵素と結びつき、さまざまな生命活動に使われます。

 

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Q.体内の鉄が不足して貧血に?

 

A.貧血とは、何らかの原因で血液中のヘモグロビンが減少した状態を指します。ヘモグロビンは全身に酵素を運んでる為、減少すると体に十分な酸素が行き渡らず、さまざまな症状が起こります。

 貧血にはいくつかの種類がありますが、最も多くみられるのが体内の鉄不足が原因で起こる「鉄欠乏性貧血」です。

 

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Q.日本人における貧血の割合は?

 

A.貧血は男性より女性に多くみられます。年齢別に見ると女性では30~40代の人の多く見られ、男性では50代以上から増加していきます。

 

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Q.鉄欠乏性貧血はなぜ起こるの?

 

A.体の中の鉄の量は通常一定に保たれていますが、何らかの原因で需要と供給のバランスが崩れると「鉄欠乏性貧血」が起こります。

◎鉄の需要が増える主な原因…慢性の出血、小児・思春期の成長、妊娠・授乳など。

◎鉄の供給が減る主な原因…偏食やダイエット、胃や腸管の手術、慢性の胃炎など。

 

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Q.最も多い原因は?

 

A.鉄欠乏性貧血の原因として、最も多いのは過多月経や婦人科系疾患による女性の性器出血(31.6%)です。また、消化管出血も男性、女性ともによくみられる原因です。(男性6.5%、女性10.3%)

 

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Q.消化器の病気があると鉄欠乏になりやすい?

 

A.消化器の病気がある方では鉄欠乏が多く見られます。その原因として下のようなことが考えられます。

 ・消化管からの慢性的な出血…消化管に出来た腫瘍や癌から出血することで、鉄が失われます。(胃・十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がん、炎症性腸疾患など)

 ・鉄の吸収障害…胃液のPHの上昇などにより、鉄の吸収が阻害されます。(ヘリコバクターピロリ菌感染症など)

 ・摂食不足や治療の為の食事制限などにより、鉄が不足します。(偏食、過度のダイエット、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病など)

 

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Q.鉄欠乏性貧血でみられる症状は?

 

A.主な症状は疲れやすさ、息切れなど。爪の変形なども、鉄欠乏が原因のことも。

 貧血でよくみられる症状…疲れやすい、めまい、頭痛、顔色が青白い、動悸、息切れなど。

 

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Q.鉄欠乏性貧血の特徴的な症状は?

 

A.舌のしみり感・舌乳頭萎縮・異食症・爪の変形・さじ状爪・咽頭違和感・嚥下困難・疲れやすさ・作業量の減少など。

 

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Q.鉄欠乏性貧血の治療法は?

 

A.飲み薬や点滴で鉄を補充します。…鉄欠乏性貧血の治療では、飲み薬や点滴、注射による鉄剤投与が行われます。通常は飲み薬で治療を開始します。

 出血の原因となる病気がある場合は、その治療も同時に行っていきます。

 

「経口薬」…1日50mg~200mgの鉄剤を接種します。吐き気などの副作用がみられる場合があります。お薬が飲みにくい場合も自己判断で治療をやめず、医師に相談しましょう。

「点滴・注射」…以下のような場合は点滴や注射によって鉄剤を投与します。

         ・飲み薬では副作用が強い場合

         ・消化器の病気がある場合

         ・鉄の必要量が多い場合など

 

 食事から摂取できるには鉄には、吸収率の良いヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。

  ・ヘム鉄…レバー、カツオ、イワシ、マグロなど

  ・非ヘム鉄…卵、あさり、ほうれんそうなど

 これらの鉄が多く含まれる食品を意識して摂るほか、赤血球のもとになるたんぱく質や鉄の吸収などを高めてくれるビタミンCや葉酸など、いろいろな食材をバランス良く摂ることが大切です。

 

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Q.鉄欠乏性貧血のゴールは?

 

A.鉄剤を投与すると、血液中のヘモグロビンが増加して、貧血の症状は改善していきます。しかしすぐに治療をやめてしまうと、体内に貯えられる「貯蔵鉄」がまだ回復しておらず、再び鉄欠乏になってしまうことがあります。

 症状が改善しても医師から指示があるまでは、治療を続けましょう。

 

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何かご不明な点がございましたら当院までお問い合わせください。

 

 

 

 

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

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