消化器内科で行われる検査は?
消化器内科は、食道、胃、小腸、大腸といった消化管や、肝臓、すい臓、胆のうなどの実質臓器の病気を専門的に診察・治療する診療科です。
腹痛、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、食欲不振、胸やけ、げっぷ、お腹の張りなど、日常的によく見られるお腹の不調は、消化器系の不調が原因である可能性があります。
これらの症状は時に重篤な病気のサインである可能性もありますので、症状が続く場合は自己判断せずにクリニックの受診をご検討ください。
特に、がんなどの疾患においては、早期発見・早期治療が非常に重要です。
こちらでは、消化器内科で行われる主な検査の種類、内容、準備、費用についてご案内いたします。
消化器内科で行われる主な検査の種類
消化器内科では、患者様の症状や身体の状態に応じて最適な検査を組み合わせて行います。
主な検査には、消化管の内部を直接観察する内視鏡検査、体内の臓器の状態を画像として捉える画像検査(レントゲン、エコー、CT、MRI)、そして血液や尿、便から体の状態を把握する検査などがあります。
当院では、上部下部内視鏡検査、レントゲン検査、エコー検査が可能です。
CT・MRI は提携している画像専門クリニックへご案内をしております。
各検査の詳しい内容と患者様への配慮
1. 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
胃カメラは、食道、胃、十二指腸の粘膜を直接観察する検査です。
最大の目的はがんの早期発見にあり、逆流性食道炎、胃潰瘍、ピロリ菌感染なども診断できます。
検査前は胃の中を空にするため、通常、検査の6〜8時間前からの絶食が必要です。
水やお茶は少量であれば摂取可能ですが、牛乳や果汁入り飲料、コーヒー、紅茶は避けてください。
患者様の苦痛を和らげるため、喉や鼻への麻酔や鎮静剤の点滴が使用されます。
特に鼻から挿入する経鼻法は、吐き気や息苦しさが少ないと感じる方が多いとされています。
鎮静剤を使用した場合は、検査当日の車、バイク、自転車の運転は厳禁です。
2. 大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)
大腸カメラは、大腸の粘膜を直接観察する検査です。
大腸がんの早期発見に加え、前がん病変である大腸ポリープをその場で切除できる大きなメリットがあります。
検査前日は消化の良い低残渣食を摂り、検査当日は腸管洗浄液(下剤)を服用し、大腸内を完全にきれいにします。
水分補給は水や麦茶、白湯で問題ありませんが、乳製品やジュース、コーヒー、アルコールは避けてください。
検査中は必要に応じて鎮静剤が使用され、苦痛の軽減に努めます。
ポリープ切除を行った場合は、激しい運動や入浴、刺激物の摂取、飲酒は7日間控える必要があります。
3. その他の重要な検査
・腹部エコー検査
超音波を用いて肝臓、胆のう、膵臓などの腹部臓器の形態や病変を調べる検査です。
痛みや放射線被曝の心配がなく、身体への負担が少ないのが特徴です。
検査前は絶食が求められます。
・血液検査
貧血、炎症反応、肝機能、腎機能、感染症、腫瘍マーカーなど、全身の状態を把握する上で非常に重要な検査です。
・CT・MRI検査
X線や磁気を用いて体内の詳細な断面画像を撮影し、消化器のがんの広がり、炎症、結石などを診断する高度な画像検査です。
これらの検査でも、正確な診断のために検査の数時間前からの絶食が必要な場合があります。
造影剤を使用する検査では、アレルギー反応などに注意が必要です。
検査費用について(保険適用と目安)
検査費用は、医師の診察により医学的に必要と判断された場合に健康保険が適用され、患者様は費用の1割から3割を自己負担します。
人間ドックや健康診断など、症状がない状態での予防目的の検査は基本的に自費診療となります。
主要な消化器内科検査の費用目安(3割負担の場合)は以下の通りです。
・胃カメラ(内視鏡のみ)
5,000円〜15,000円
・大腸カメラ(内視鏡のみ)
7,000円〜20,000円
・腹部エコー
1,500円〜2,000円程度
・血液検査
2,000円〜4,500円程度
※これらの費用は、使用する薬剤や追加処置の有無、医療機関によって変動する可能性があります。
自費診療の場合は高額になる傾向がありますが、自治体や企業のがん検診補助金・助成制度を活用することで費用を抑えることも可能です。
まとめ
腹痛、便秘、胸やけなど、お腹の不調が続く場合は、自己判断せずに消化器内科を受診することが非常に大切です。
これらの症状は、消化器系の様々な病気のサインである可能性があり、早期に専門医の診察を受けることで、
正確な診断と適切な治療へと繋がります。
特に、早期のがんは自覚症状がほとんどないため、症状がなくても定期的な検査を受けることが、病気の早期発見に繋がり、
健康な生活を取り戻すための第一歩となります。
菊川内科皮膚科クリニックでは、消化器内視鏡専門医が患者様一人ひとりの症状や不安に寄り添い、
丁寧な問診と適切な検査を通じて、正確な診断と最適な治療を提供することに尽力しております。
検査に関してご不明な点やご心配なことがございましたら、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
日本内科学会 総合内科 専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡 専門医
~~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~~