きくクリブログ

2023.01.23更新

血糖値と生活習慣についてよくある質問をまとめました。

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Q.糖尿病ってどんな病気?

 

A.血糖値コントロールのしくみ…私たちは、活動に必要なエネルギーを食べ物に含まれる糖質から得ています。

①糖質は、腸でブドウ糖に分解された後、血中に取り込まれます。

②血液中にブドウ糖が増えると、膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。

③インスリンはブドウ糖をエネルギー源として利用できるように全身の細胞(肝臓・筋肉)に送り込みます。また、過剰なブドウ糖は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして、脂肪組織に中性脂肪として蓄えられ、必要に応じて使われます。

 食事によって増える血液中のブドウ糖の量(血糖値)はインスリンによって高くなり過ぎないように調節されています。

 

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Q.糖尿病とは?

 

A.「糖尿病」とは、血液中のブドウ糖が有効に使われず、血糖値の高い状態(高血糖)が続くことを言います。

 【原因】…血糖値を下げるインスリンの分泌量が足りない。

      インスリンが効きにくくなる、など。

この状態を放っておくと、全身にさまざまな症状(合併症)を引き起こします。糖尿病の怖さはこの合併症にあります。

 

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Q.糖尿病の症状は?

 

A.糖尿病の初期には自覚症状がほとんどありません。気づいたときにはかなり悪化していることもあるため、早期発見・早期治療が大切です。

「症状」…喉がよく渇く、トイレが近い、体重が減る、食べ過ぎる、体がだるく、疲れやすい

 

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Q.糖尿病の原因は?

 

A.糖尿病の多くは、遺伝的な要因に環境的な要因、加齢などが加わって発症します。近親者に糖尿病の人がいる場合は、糖尿病になりやすい体質なので、より注意が必要です。

 

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Q.糖尿病の合併症は?

 

A.高血糖を放っておくと、次第に全身の血管や神経が傷つけられ日常生活に支障をきたす、さまざまな合併症が現れます。中には命にかかわる病気もあります。

 ・目…網膜症、白内障、緑内障

 ・歯…歯周病

 ・呼吸器…肺炎、肺結核

 ・腎臓…腎症

 ・泌尿器…ED、尿路感染症、排尿障害

 ・脳…動脈硬化、脳梗塞

 ・心臓…動脈硬化、心筋梗塞

 ・皮膚…皮膚合併症、感染症

 ・下肢…PAD(抹消動脈疾患)

 ・神経…神経障害

 

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Q.合併症の種類と症状は?

 

A.合併症は、高血糖が続けば続くほど進行しやすくなります。しかし、血糖をきちんとコントロールすることで、発症や進行を防ぐことが出来ます。

 1.細い血管で起こる合併症【糖尿病に特有の3大合併症】

 ・神経障害…神経が傷つき、手足のしびれや痛み、感覚のマヒなどが起こる。痛み・温度などを感じにくくなり、傷などが悪化しやすくなるので注意が必要。

 ・網膜症…目の血管が傷つき、最悪の場合は失明に至る。

 ・腎症…腎機能が低下して、透析治療にいたることがある。

 

 2.太い血管でおこる合併症【動脈硬化】…高血糖が続くと動脈硬化が進み、右のような病気が起こる危険性が高くなる。また、足に動脈硬化が起こると歩行により痛みを感じて歩きづらくなる。

 

 足の障害…足の動脈硬化や神経障害が進行すると潰瘍・壊疽を起こすことがある。(最悪の場合は切断)

 

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Q.糖尿病治療のポイントは?

 

A.治療の内用…糖尿病の治療の基本は、食事療法と運動療法です。それだけでは十分な効果が得られない場合はお薬による治療が行われます。

 ただし、状態によっては最初からお薬を使用することもあります。

 

◎正しいエネルギー摂取量を知ろう。…1日に摂る適切なエネルギー量を知り、自分に合った食事の量をとりましょう。

エネルギー摂取量=標準体重×身体活動量

 

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Q.食事療法は?

 

A.糖尿病食はバランスの良い健康食です。積極的に取り組み、続けることが大切です。

◎ふだんの食生活を見直そう…ふだんどんな食生活をしているのかチェックしてみましょう。記録をつけると、より客観的に問題点を把握できるのでおすすめです。

①炭水化物…砂糖を含む食品、ジュースなどは吸収が早く血糖値が急に上がりやすいので注意しましょう。

②脂質…脂肪食品は控えめにしましょう。油は植物性油(オリーブ油、菜種油など)を選びましょう。また、マヨネーズよりノンオイルドレッシングを選びましょう。

③タンパク質…肉より魚を選びましょう。肉の場合、鶏肉がおすすめです。豆腐などの植物性の食品も摂りましょう。

④ビタミン・ミネラル…食物繊維はたっぷり摂りましょう。血糖値の急激な上昇を防いだり、空腹感を満たしてくれます。

 

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Q.実践のコツは?

 

A.①食卓の工夫…お茶碗は小ぶりのものを。大皿に盛るのではなく、一人前を取り分けておく。少量ずつでも、品数や器の数を増やすと食卓が豪華に。肉・魚は骨付き、尾頭付きで見た目のカサを増やして。

 

 ②調理の工夫

  ◎油を控える…「網で焼く」「蒸す」「煮る」「茹でる」など油を控えた調理法を。材料は大きめに切って、吸油量を少なく。和食を中心に。

  ◎塩分・調味料を控える…味噌より、天然だし・酢・香味野菜(しそ、生姜)・香辛料などで味付けを。

  ◎ボリューム感を出す…野菜などの低エネルギーで食物繊維の多い食材を増やす。スープ、お吸い物、雑炊など、水分の多い料理をつくる。

 

 ③間食の工夫…間食は基本的には避けたほうがよいでしょう。ただし、食事の間隔が空いたり規則的に食事がとれない場合は、1日の総エネルギー量内であれば食べても構いません。あらかじめ医師とよく相談しておきましょう。

 

 ④順番の工夫…野菜を最初に炭水化物を最後に食べましょう。

        同じ食事内容でも最初に野菜を食べることで、食物繊維が炭水化物の吸収を抑制し、食後の血糖値上昇が抑えられます。炭水化物の前にタンパク質を食べることで膵臓からのインスリン分泌を促すホルモンが増加します。

   ⑤外食の工夫…外食は摂取エネルギーが過剰になったり、栄養バランスが崩れがちになります。食べ過ぎには十分に注意してメニューを選びましょう。

 ⑥その他気をつけたいこと

   ◎アルコールは控えめに。

   ◎砂糖の代わりに低カロリー甘味料を使用しましょう。

   ◎食材など買い過ぎない。満腹の時に買い物を。

   ◎見えるところに食べ物を置かない。

   ◎野菜を多く摂りましょう。

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Q.運動療法は?

 

A.◎運動療法の効果…基礎代謝を上昇させる。インスリンの働きを改善。減量効果。

 ◎注意点…病状が悪化することもあるので始める前に必ず医師に相談しましょう。。準備運動、整理体操をしましょう。

      自分の足に合った靴、季節に合った動きやすい服を着用しましょう。。水分をこまめに補給しましょう。

      低血糖に備えて、必ずブドウ糖を持ち歩きましょう。

 ◎長続きのコツ…数値(血糖値・体重など)を記録して、効果を確認する。無理せず自分に合った目標を立てる。日々の生活の中でこまめに体を動かす。

         仲間や家族と一緒に行う。万歩計をつける。歩数を増やす。(エレベーターをやめて階段にする、一歩手前で降りて歩くなど)

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Q.適切な運動と運動量は?

 

A.有酸素運動…酸素の供給に見合った強度の運動で、全身運動が該当します。沢山の酸素を体内に取り入れながら糖や脂肪が効率良く使われます。

継続して行うことによりインスリンが効きやすくなります。

 レジスタンス運動…おもりや体重で負荷をかけて動作を行う運動です。筋肉量を増加し、筋力を増強することで糖を取り込みやすくする効果が期待できます。

水中歩行は有酸素運動とレジスタンス運動がミックスされた運動であり、膝にかかる負担が少なく、肥満糖尿病患者に安全かつ有効です。

 

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Q.薬物療法は?

 

A.食事療法・運動療法を行っても血糖コントロールが十分でない場合、お薬による治療が加えられます。

お薬を使っているという安心感から食事療法・運動療法がおろそかにならないようにしましょう。

 

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Q.治療薬の種類は?

 

A.飲み薬…◎膵臓からのインスリンの分泌を促す薬。→スルニホル尿酸薬、即効性インスリン分泌促進薬

     ◎インスリンの効きを良くする薬。→ビグアナイド薬、チアゾリジン薬

     ◎糖質の吸収や排せつを調節する薬。→aグルコシターゼ阻害薬、SGLT2阻害薬

 注射薬…◎インスリンを注射によって補う薬。→毎日患者さん自身が注射します。1型糖尿病の場合、初めからインスリン療法が行われます。

     ◎膵臓からのインスリンの分泌を促す薬。→GLP-1受動体作動薬

 

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Q.低血糖の症状とは?

 

A.血糖値の低さの程度に応じて、発汗、動悸、ふるえなどの症状が現れます。ひどくなると命にもかかわる危険な状態に陥ることもあります。

 症状には個人差があります。糖尿病による神経障害のある場合、低血糖の前兆のないままに意識障害にいたることがあります。

 対処法…症状を感じたらすぐに水分をとりましょう。症状が治まらない時は主治医に連絡を取って、指示を仰いでください。

 

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Q.その他日常生活の注意点は?

 

A.①体重コントロール…体重が増えるとインスリンの働きが低下し、血糖値が上がります。減量や体重維持のため、こまめに体重をはかりましょう。記録をつけると長期間の体重の変化や血糖コントロールの確認に約に立ちます。

 ②ストレス、疲れの解消…ストレスがあると、血糖値を上げるホルモンが分泌されます。また、ストレスの解消にと、つい食べ過ぎてしまったり、治療に対する意欲が低下したりすることもあります。ライフスタイルに合った解消法を見つけましょう。

 ③体調の管理…高血糖が続くと身体の抵抗力が低下する為、感染症にかかりやすくなります。また、いったんかかると悪化しやすくなりますので、体調管理には十分気を付けましょう。

 ④歯のケア…高血糖が続くと、歯周病になりやすくなるためこまめに歯磨きをしましょう。すでに歯周病がある場合は早めに治しましょう。

 ⑤足のケア…糖尿病では、足のケアがとても大切です。いつも足を清潔に保ち、毎日チェックしましょう。

 ⑥アルコールは控えめに…アルコールは、適量であればストレスを和らげますが、食べ過ぎ・飲みすぎになりやすいので注意が必要です。特に血糖コントロールがうまくいっていない人、合併症、高血圧、脂質異常症などがある人は、飲酒を控えてください。

  また、アルコールは一時的に血糖値を下げるため、低血糖に注意しましょう。飲酒については、必ず事前に医師に相談してください。

 ⑦禁煙…タバコは合併症である動脈硬化を進行させるので禁煙しましょう。

 

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ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

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