きくクリブログ

2025.07.07更新

脱水症について

「夏は水分を摂りましょう」という言葉はよく聞きますが、実は脱水症は夏だけの病気ではありません。

季節を問わず、様々な状況で誰にでも起こりうる身近な病気です。

「なんとなく体調が悪い」「疲れが取れない」といった、普段見過ごしがちな不調が、実は脱水症のサインかもしれません。

この記事では、脱水症の基礎知識から、ご自身でできるセルフケア、そして医療機関を受診するタイミングまで詳しく解説します。

 

脱水症って何?
脱水症とは、体内の水分と電解質(ナトリウムやカリウムなど)が不足した状態を指します。

体内の水分は体重の約60%を占めており、生命を維持するために非常に重要な役割を担っています。体液が不足すると、体内の臓器が正常に機能できなくなり、様々な不調が現れるのです。

 

症状の特性
脱水症の症状は、軽度から重度まで多岐にわたります。

〇軽度の症状

・口や喉の渇き

・尿量の減少、尿の色が濃くなる

・頭痛、めまい、立ちくらみ

・皮膚や唇の乾燥

〇中度の症状

・強いだるさ、倦怠感

・食欲不振、吐き気

・体温の上昇(熱中症の症状)

・集中力や判断力の低下

〇重度の症状

・意識障害、けいれん

・手足の震え

・血圧の低下

・腎不全など重篤な合併症

 

脱水症が起こるきっかけ

脱水症は、水分摂取量が不足したり、体外へ水分が過剰に排出されたりすることで起こります。

〇水分摂取量の不足

・発熱や下痢、嘔吐など体調不良時

・高齢者や乳幼児で水分補給が不十分な場合

・スポーツや激しい運動で汗を大量にかいた後

〇水分排出量の増加

・多量の発汗(特に高温多湿の環境下)

・下痢や嘔吐

・多尿(糖尿病など)

 

脱水症のタイプ

脱水症は、失われた体液の成分によって3つのタイプに分けられます。

高張性脱水: 体液の水分が電解質よりも多く失われるタイプ。喉の渇きを強く感じます。

等張性脱水: 水分と電解質がバランス良く失われるタイプ。気づきにくいため、注意が必要です。

低張性脱水: 電解質よりも水分が多く失われるタイプ。むくみが出たり、全身倦怠感、食欲不振などが現れます。

 

脱水症の発生部位ごとの特性

脱水症は全身に影響を及ぼしますが、特に影響が出やすい部位があります。

 

①脳: 意識障害や頭痛、めまいを引き起こします。

②腎臓: 尿量が減少し、腎機能が低下します。

③皮膚: 乾燥し、弾力性が失われます。

④消化器: 食欲不振、吐き気、便秘などを引き起こすことがあります。

特に、下痢や嘔吐が原因で脱水症になることもあれば、脱水症が原因で消化器症状が悪化することもあります。

 

脱水症を引き起こす主な疾患

脱水症は、様々な疾患の症状として現れることがあります。

 

感染性胃腸炎: 下痢や嘔吐を伴い、水分や電解質が大量に失われます。

糖尿病: 血糖値が高いと尿量が増え、脱水症になりやすくなります。

熱中症: 高温下で体温調節ができなくなり、多量の発汗で脱水が進みます。

慢性的な消化器疾患: 過敏性腸症候群や**炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)**など、下痢や腹痛が続く病気は、慢性的な脱水状態を引き起こす可能性があります。

 

これらの疾患は、単なる脱水症の症状と思われがちですが、根本に別の病気が隠れていることがあります。

 

脱水症を和らげるためのセルフケアは?

軽度の脱水症であれば、ご自宅でのセルフケアで改善が期待できます。

こまめな水分補給: 喉が渇く前に、少しずつ頻繁に水分を摂りましょう。

塩分・糖分の補給: 水分と一緒に、塩分や糖分も補給することが大切です。スポーツドリンクや経口補水液が効果的です。

経口補水液の活用: 脱水状態の改善には、水やお茶よりも電解質がバランス良く含まれた経口補水液が適しています。

 

受診するタイミングは?

以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

・口の中が乾燥して喋りにくい

・意識がぼんやりする、呼びかけへの反応が鈍い

・尿がほとんど出ない、または色が非常に濃い

・下痢や嘔吐が続いている

・セルフケアをしても症状が改善しない

 

特に、消化器症状が長引く場合は、単なる脱水症ではなく、消化器系の病気が隠れている可能性があります。その場合は、適切な診断と治療が必要です。

 

どのような検査が必要で、何を調べる?
クリニックでは、まず脱水の状態を評価するために、血液検査や尿検査を行います。

 

〇血液検査

ヘモグロビン濃度やヘマトクリット値、電解質(ナトリウム、カリウム、クロール)、腎機能を示すクレアチニンなどを調べ、脱水の程度や全身状態を評価します。

〇尿検査

尿の比重や色、ケトン体などを調べ、脱水の程度を把握します。

 

さらに、下痢や腹痛などの消化器症状が続く場合は、その原因を特定するために、より詳しい検査が必要になることがあります。

「最近、下痢が続いている」「お腹の調子がずっと悪い」といったお悩みはありませんか?

もしかすると、内視鏡検査によって、脱水症の原因となっている病気が見つかるかもしれません。

内視鏡検査は、食道、胃、大腸の粘膜を直接観察できるため、潰瘍や炎症、ポリープなどの異常を早期に発見し、適切な治療へとつなげることができます。

 

★☆見落としの少ない最新のAI内視鏡検査のご予約はこちらから☆★


〈予約リンク〉こちらをクリックしてください
〈電話〉03-5638-1515

 

 

どのような診察が行われるの?
当クリニックでは、まず問診で症状や経過を詳しくお伺いします。

脱水症の程度や原因を判断するため、触診や視診で皮膚の弾力性や口の乾燥状態などを確認します。

もし、下痢や腹痛が慢性的に続く場合は、脱水症の原因を特定するため、さらに詳しい診察や検査についてご提案させていただきます。

 

どのような診断と治療が行われるの?
検査の結果に基づき、脱水症の診断と治療方針を決定します。

軽度〜中度の場合: 経口補水液や点滴による水分・電解質の補給を行います。

重度の場合: 入院して集中的な点滴治療が必要になることもあります。

基礎疾患がある場合: 糖尿病や消化器疾患など、脱水症の原因となっている病気があれば、その治療も並行して行います。

当クリニックでは、消化器専門医が在籍しており、内視鏡検査を含めた専門的な診療が可能です。脱水症の裏に隠れているかもしれない病気を早期に発見し、根本的な治療につなげることが可能です。

 

最後に…
脱水症は身近な病気ですが、放置すると命に関わることもあります。「喉が渇いたな」と感じた時には、すでに脱水が始まっています。

日頃からこまめな水分補給を心がけ、体調に異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

特に、下痢や腹痛が続くなど、気になる消化器症状がある場合は、自己判断せずに一度ご相談ください。

 


都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

 

監修:俊爽会 理事長 

日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 小林俊一

 

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

entryの検索

月別ブログ記事一覧

菊川内科皮膚科クリニック TEL0120-979-893 お気軽にお問い合わせください 内視鏡検査専用TEL:0120-979-893 菊川内科皮膚科クリニック TEL0120-979-893 お気軽にお問い合わせください 内視鏡検査専用TEL:0120-979-893