糖尿病患者さんのスキンケアについて、よくある質問をまとめました。
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Q.なぜスキンケアが必要なの?
A.糖尿病では、顔や手足をはじめ全身の皮膚にトラブルが起こりやすくなります。初期段階で気づくために、皮膚のセルフチェックとスキンケアを毎日の習慣にしましょう。
糖尿病では皮膚が乾燥しやすくなったり皮膚トラブルが治りにくくなったり、悪化しやすくなります。部位によっては意外と見落としがちな皮膚トラブルですが、放置してしまうと重症化し足の壊疽などにいたることもあります。
毎日の皮膚のセルフチェックと正しいスキンケアで潤いのある健康的な皮膚を保ち、皮膚の合併症を予防しましょう。
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Q.皮膚のセルフチェックは?
A.①皮膚の乾燥やかゆみがあるか。湿度と温度の下がる秋冬は特に注意を。
②肌色が良くなく、変色している。
③皮膚の感覚があまりなく、しびれる。神経障害による可能性あり。
④水虫などの感染症が悪化してきた。糖尿病で症状が悪化しやすいことも。
⑤タコやウオノメ、靴擦れがある。重症になる前に治療を始めましょう。
⑥傷がなかなか治らない。神経障害が原因の可能性あり。
※一つでも当てはまる方は治療とともに予防を心掛けましょう。
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Q.糖尿病の皮膚トラブルの関係とは?
A.糖尿病の影響は血管、神経、感染への抵抗力など全身に及び、健康を維持する機能を停止させ皮膚トラブルの悪化につながりがちです。糖尿病の患者さんは健康な人に比べて皮膚トラブルの予防に心掛ける必要があります。
糖尿病の初期から起こる皮膚トラブル…糖尿病の初期症状として乾燥肌やかゆみの他、ひび割れ、ウオノメ、タコ、むくみ、変色、水ぶくれなどが起きることがあります。早めに主治医に相談を。
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Q.高血糖が皮膚の乾燥やかゆみの原因?
A.血糖値が高いと多尿、頻尿、さらに脱水につながります。これも皮膚の乾燥など皮膚トラブルの原因の一つです。
皮膚トラブルが起こる様々な理由…1、血管障害(糖尿病では体中の血管が詰まりやすくなり手足などの皮膚に悪い影響が出やすくなります。)
2、感染に対する抵抗力低下(血流が悪くなり体本来の防衛機能が損なわれる為細菌などに感染しやすく、また重症化しやすくなります。)
3、神経障害(神経障害で痛みを感じにくくなるので傷などに気付くのが遅れて重症化する場合があります。)
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Q.皮膚トラブルを予防する為には?
A.①けがややけどに気を付ける。傷は石鹼で水洗い、やけどはすぐに冷やしましょう。
②毎日ぬるめの風呂に入る。低刺激の石鹸と清潔なタオルを。ゴシゴシ洗いは避けましょう。
③長時間の寒い場所を避ける。暖かい服装をして体温の変化を抑えましょう。
④日焼けをしない。紫外線は皮膚の大敵。炎天下を避け日焼け止めも。
⑤禁煙する。タバコは皮膚に様々なダメージを与えることがあります。
⑥保湿剤で保護する。皮膚が乾かない入浴後5分以内にご自身の肌に合った保湿剤を塗りましょう。
⑦自分に合った靴を履く。靴擦れは糖尿病による足病変のもとに。
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Q.足病変の予防とセルフケアのポイントは?
A.足病変は糖尿病の代表的な合併症です。症状が進むと腫瘍や壊疽になることもあり注意が必要です。最初の皮膚の小さな変化や傷を見逃さないようにしましょう。
セルフケアのポイント…①足を毎日よく見てチェック。 ②皮膚をいつも清潔に。 ③足に怪我ややけどをしないように。 ④靴擦れしない、足に合った靴を。 ⑤足の爪は切りすぎない。
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