きくクリブログ

2025.09.09更新

「食物アレルギー」と聞くと、身近に感じる方も多いのではないでしょうかehe

特に、食べることが大好きなお子様がいらっしゃるご家庭では、不安に思われることもあるかもしれません。

今回は、食物アレルギーについて、その基礎知識から日々の生活でできる対処法まで、

患者様の不安な気持ちに寄り添いながら、お伝えできればと思います!!

もし、ご自身やご家族が食物アレルギーかもしれない、とお悩みでしたら、ぜひこの記事を読んでみてくださいgya

 

食物アレルギーとは?

食物アレルギーとは、特定の食物を食べることで、本来は体を守るための免疫反応が、

自分の体を攻撃してしまうことで起こる様々な症状のことです。

通常、食べ物は消化・吸収されて栄養になりますが、アレルギーを持つ方にとっては、特定の食べ物が「異物」とみなされてしまい、

免疫システムが過剰に反応してしまうのです。この反応が、蕁麻疹(じんましん)やかゆみ、呼吸困難など、様々なつらい症状を引き起こします。

 

症状の特徴

食物アレルギーの症状は、原因となる食物を摂取してから比較的早く現れることが特徴です。多くの場合、数分から2時間以内に症状が出ることが知られています。

症状の現れ方には個人差がありますが、主な症状としては以下のようなものがあります。

・皮膚の症状:全身の蕁麻疹、かゆみ、赤み

・呼吸器の症状:くしゃみ、鼻水、咳、息苦しさ

・消化器の症状:腹痛、吐き気、嘔吐、下痢

・目の症状:目の充血、かゆみ

 

食物アレルギーが起こる原因

・遺伝的要因:ご両親やご兄弟にアレルギーを持つ方がいる場合、アレルギーを発症しやすい傾向があると言われています。

・環境的要因:食生活の変化や、腸内環境の乱れなどがアレルギーの発症に関わっていると考えられています。

 

食物アレルギーの種類

・即時型アレルギー:特定の食物を摂取した後、すぐに症状が現れるタイプです。

原因食物の摂取後、多くの場合2時間以内に症状が出ます。

・食物依存性運動誘発アナフィラキシー:特定の食物を摂取した後、激しい運動を行うことで症状が現れる特殊なタイプです。

原因食物を摂取するだけでは症状は出ません。

・口腔アレルギー症候群:特定の果物や野菜を食べた後、唇や舌、喉にかゆみや腫れが現れるタイプです。

花粉症をお持ちの方に多く見られます。

 

食物アレルギーの発生部位ごとの特徴

・皮膚:最も多く見られる症状で、蕁麻疹や赤み、かゆみなどが全身に広がります。

・呼吸器:咳や喘鳴(ぜんめい:ヒューヒュー、ゼーゼーという呼吸音)など、風邪と間違えやすい症状が現れることがあります。

・消化器:腹痛や嘔吐、下痢などが起こります。特に乳児の場合、血便が出ることがあります。

粘膜:目のかゆみや充血、唇や口の中の腫れなど、局所的な症状が現れます。

 

食物アレルギーを引き起こす主な疾患

アトピー性皮膚炎:皮膚のバリア機能が低下しているため、アレルゲンが皮膚から侵入しやすくなります。

乳児期のアトピー性皮膚炎と食物アレルギーは密接な関係があると考えられています。

・気管支喘息:アレルギー体質の方が発症しやすい疾患です。食物アレルギーが、喘息の症状を悪化させる引き金になることがあります。

 

食物アレルギーを和らげるために自分でできる対処法は?

原因食物の特定と除去:医師の指示に従い、アレルギーの原因となっている食物を正しく特定し、適切に除去することが最も重要です。

・代替食品の活用:除去食を行う際は、不足する栄養素を補うために、代替となる食品を上手に活用しましょう。

例えば、牛乳アレルギーの場合は、豆乳やライスミルクなどでカルシウムを補給できます。

症状が出た際の応急処置:医師から処方された抗アレルギー薬やエピペン(自己注射薬)を、緊急時に正しく使えるように、日頃から使い方を確認しておきましょう!

 

受診をした方が良い場合は?

食物を食べた後、全身に蕁麻疹や赤みが出たとき

・呼吸が苦しい、咳が止まらないなど、呼吸器の症状が現れたとき

・複数の部位に症状が同時に現れたり、意識がもうろうとしたりするとき

・原因が分からず、何度も繰り返して同じような症状が出る場合

 

どのような検査が必要で、何を調べる?

問診:いつ、何を、どのくらい食べたか、症状はいつ、どのように出たかなど、詳しくお伺いします。

・血液検査:血液中のIgE抗体の量を調べ、アレルギー反応を起こしている可能性のある食物を特定します。

・皮膚プリックテスト:アレルゲンをわずかに含んだ液体を皮膚につけ、針で少し傷つけて反応を見る検査です。

・食物経口負荷試験:アレルギーの原因と思われる食物を、医師の監視下で少しずつ摂取し、症状が出るかどうかを確認する検査です。最も確実な診断方法とされています。

 

どのような診断と治療が行われるの

 診断:問診、血液検査、皮膚プリックテストなどの結果を総合的に判断し、必要であれば食物経口負荷試験で確定診断を行います。

・治療:アレルギーの原因となる食物を特定し、適切な量だけ除去する「食事療法」が治療の基本となります。また、症状を抑えるために抗アレルギー薬などの薬物療法も併用されます。

 

どのような診察が行われるの?

診察では、まず患者様や保護者の方から、症状がいつ、どのように現れたか、食べたものは何かなど、詳しくお話を伺います。

その上で、アレルギーが疑われる場合は、必要な検査を提案させていただきます。

診察時には、日頃の食事内容や、アレルギー症状が出た時の状況をメモしてきていただけると、よりスムーズな診療につながります。

 

最後に…

食物アレルギーは、日々の生活に不安をもたらすことがあるかもしれません。

しかし、正しく理解し、適切な対処をすることで、安心して生活を送ることができます。

当院でもアレルギー検査できますのでどうぞお気軽に菊川内科皮膚科クリニックへお越しくださいihiheart3

 

 

~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~

 

 

 

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.09.08更新

「なんだか最近、咳が止まらない…」「夜になると息苦しくなる…」そんなお悩みはありませんか?

風邪かな?と思っても、なかなか治らないその症状、もしかしたら気管支喘息かもしれません。

喘息は「一度なったら一生治らない病気」と昔は言われていましたが、今は適切な治療で症状をコントロールし、健康な毎日を送ることができます。

このブログでは、気管支喘息について、皆さんが「なるほど、そうだったのか!」と感じていただけるよう、

身近な例を交えてわかりやすくお話ししていきます。ご自身やご家族、大切な方の健康のために、ぜひご一読ください。

 

気管支喘息とは?

気管支喘息とは、空気の通り道である「気道」が慢性的に炎症を起こし、敏感になる病気です。

健康な人の気道は、たとえるなら太く広々としたトンネルのようなもの。空気がスムーズに通ります。

しかし、喘息の人の気道は、アレルギー反応などによって常に少し腫れていて、敏感になっています。

そこにホコリや花粉、タバコの煙などの「刺激」が加わると、トンネルの壁がさらに分厚くなったり、周りの筋肉がぎゅっと縮こまったりして、空気が通れなくなってしまいます。

この状態が、喘息発作と呼ばれる「ゼーゼー、ヒューヒュー」という呼吸音(喘鳴)や、ひどい咳、息苦しさの原因となるのです。

 

 

症状の特徴

気管支喘息の代表的な症状には、以下のようなものがあります。

 

喘鳴(ぜんめい)

息をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という高い音がする。

 

発作性の咳

夜間や早朝、明け方にひどくなることが多い。

 

息苦しさ

息を吐き出すのが辛く感じる。

 

胸の圧迫感

胸が締め付けられるような感じがする。

 

これらの症状は、風邪薬を飲んでもなかなか改善しないことが特徴です。

 

 

気管支喘息が起こる原因

喘息の原因は、主に「アレルゲン」と「非アレルゲン」の二つに分けられます。

 

explosionアレルゲン(アレルギー性の原因)

ハウスダスト、ダニ、花粉、ペットの毛、カビなど。

これらが原因の場合は、アレルギー検査で何に反応しているかを知ることができます。

 

explosion非アレルゲン(アレルギー以外の原因)

運動、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染、タバコの煙、冷たい空気、大気汚染、ストレス、特定の薬など。

 

体質や遺伝も関係しているため、ご家族に喘息の方がいる場合は注意が必要です。

 

 

気管支喘息の種類

大きく分けて、以下の2種類があります。

 

leafアトピー型(アレルギー型)

子どもの喘息に多く、ダニやハウスダストなどのアレルゲンが原因で起こります。多くは成長とともに改善することがあります。

 

leaf非アトピー型(非アレルギー型)

成人に多く、風邪やストレス、気候の変化などが引き金となります。

 

 

気管支喘息を引き起こす主な疾患

気管支喘息は単独で発症することもあれば、他の病気と関連していることもあります。

例えば、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、逆流性食道炎などが合併すると、喘息の症状が悪化することが知られています。

これらの病気の治療を同時に行うことで、喘息のコントロールが改善することもあります。

 

 

喘息を和らげるために自分でできる対処法は?

ご自宅でできる対策はたくさんあります。

 

アレルゲン対策

部屋の掃除をこまめに行い、ホコリやダニを減らす。

 

刺激を避ける

タバコの煙や強い香りのもの、冷たい空気に触れるのを避ける。

 

適度な運動

体調が良い時に無理のない範囲で体を動かす(※運動誘発喘息の場合は医師にご相談ください)。

 

ストレスをためない

十分な睡眠やリラックスできる時間を持つ。

 

しかし、これらの対処法はあくまで「症状の悪化を防ぐ」ためのもの。根本的な治療には、医師の診断と適切な薬が必要です。

 

 

受診をした方が良い場合は?

「もしかして?」と感じたら、迷わず医療機関を受診してください。

特に、以下のような場合は、すぐに専門医に相談することをお勧めします。

 

・夜間や早朝に咳や息苦しさで目が覚める。

 

・息をするときに「ゼーゼー」という音がする。

 

・風邪ではないのに咳が長く続く。

 

・動悸や胸の痛みを伴う。

 

「ただの咳だろう」と自己判断せず、専門家にご相談いただくことが、早期発見・早期治療の第一歩です。

 

 

台風シーズンに注意!気圧の変化と喘息の関係

この時期、台風が接近すると「喘息の症状が悪化する」というお声をよく耳にします。

これは、台風が持つ急激な気圧の変化が大きく関係していると考えられています。

気圧が下がると、人間の体も無意識にストレスを感じ、自律神経のバランスが乱れやすくなります。

これにより、喘息の発作が起こりやすくなったり、咳がひどくなったりすることがあるのです。

また、台風の湿気でカビやダニが増えることも、アレルギー性の喘息の方には悪影響となります。

台風が近づいてきたら、ご自身の体調管理にいつも以上に気を配り、もし症状が悪化した場合は早めにクリニックへご相談ください。

 

 

どのような検査が必要で、何を調べる?

当クリニックでは、問診で症状を詳しくお伺いした後、以下のような検査を行う場合があります。

 

magnifier呼吸機能検査

息を吸ったり吐いたりする強さや量を測り、気道の狭さを調べます。

 

magnifier血液検査

アレルギーの原因(アレルゲン)を特定するために行います。

 

これらの検査で、喘息のタイプや重症度を正確に診断します。

 

 

どのような診断と治療が行われるの?

検査結果や症状に合わせて、適切な診断と治療計画を立てます。

治療の中心となるのは、気道の炎症を抑える「吸入ステロイド薬」や、発作を止める「気管支拡張薬」です。

これらの薬を吸入することで、直接気道に働きかけ、効果的に症状をコントロールします。

最近では、吸入器も扱いやすいものが増えていますので、安心してご使用いただけます。

また、「アレルゲン免疫療法」など、根本的な体質改善を目指す治療法もあります。

 

 

どのような診察が行われるの?

当クリニックでは、患者様一人ひとりに寄り添った丁寧な診察を心がけています。

 

問診

いつから、どのような症状が出ているか、生活環境やお仕事、アレルギーの有無など、お話を聞かせていただきます。

 

身体診察

聴診器で肺の音を聞き、喘鳴がないか確認します。

 

治療計画の説明

検査結果や診断に基づいて、今後の治療方針や薬の使い方、注意点について、わかりやすく説明いたします。

 

ご不安なことがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

 

最後に…

「ただの咳だろう」と我慢しているうちに、喘息の症状は悪化してしまうことがあります。

早期発見・早期治療が、喘息をコントロールし、発作のない快適な生活を送るための鍵となります。

当院では、内科はもちろん、消化器内科の専門的な診療も行っています。

最新の医療設備と温かいスタッフが、皆様の来院をお待ちしております。

「もしや?」と思ったら、まずは一度、お気軽にご相談ください。

 

 

 

監修:俊爽会 理事長 

日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 

日本内科学会 総合内科専門医  小林俊一

 

 



投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.09.05更新

「日焼け」と聞くと、「夏にうっかり焼いてしまった…」と、軽い肌トラブルのように思っていませんか?

実は、日焼けは単なる肌の色が変わる現象ではありません。

紫外線による肌のやけどであり、将来のシミやシワ、さらには皮膚がんのリスクを高める原因にもなります。

「まだ大丈夫だろう」と油断している方も、すでにきちんと紫外線対策をされている方も、このブログを読んで「なるほど!」と感じていただけたら、

ご自身の健康はもちろん、大切なご家族やご友人にもぜひ教えてあげてくださいね。

 

 

「日焼け」とは?

日焼けとは、太陽光に含まれる紫外線(UV)を浴びることで、肌がダメージを受ける現象のことです。

特に、シミやシワ、たるみなどの「光老化」**と呼ばれる肌の老化現象の主な原因となります。

日焼けには大きく分けて2つのタイプがあります。

 

flowerサンバーン(Sunburn)

主にUVBという種類の紫外線が原因で起こる、肌が赤くなるやけどのような状態です。ヒリヒリとした痛みや水ぶくれを伴うこともあります。

 

flowerサンタン(Suntan)

主にUVAという種類の紫外線が原因で起こる、肌が黒くなる状態です。肌の奥深くまで届き、メラニン色素を増やして肌の色を濃くします。

 

 

症状の特徴

日焼けの症状は、浴びた紫外線の量や時間、個人の肌タイプによって異なります。

 

flowerサンバーン

肌が赤く炎症を起こし、ヒリヒリとした痛みを伴います。症状がひどい場合は、水ぶくれができたり、発熱や頭痛、吐き気などの全身症状が出ることもあります。

 

flowerサンタン

数日〜数週間かけて肌の色が黒くなります。痛みは伴いませんが、肌のハリがなくなり、ゴワついた感触になることがあります。

 

 

「日焼け」が起こる原因

日焼けの直接的な原因は、太陽光に含まれる紫外線です。紫外線は、夏だけでなく、一年中、曇りの日や室内にも降り注いでいます。

 

UVA: 窓ガラスを通り抜け、肌の真皮層まで届きます。真皮のコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみの原因となります。

 

UVB: 窓ガラスは通り抜けにくいですが、肌の表皮に炎症を起こし、シミやそばかすの原因となります。

 

UVC: オゾン層で吸収されるため、地上にはほとんど届きません。

 

 

「日焼け」の種類と体の部位ごとの特徴

日焼けは、肌が受けるダメージの深さによって分類されます。

 

軽度(第1度熱傷)

肌が赤くなるサンバーン状態。

 

中度(第2度熱傷)

赤みとともに水ぶくれができる状態。強い痛みを伴います。

 

重度(第3度熱傷)

肌の奥深くまでダメージが及び、神経や血管も損傷する状態。非常にまれです。

 

 

日焼けは全身に起こりますが、顔、首、腕、足の甲など、衣類で覆われていない部分に特に症状が出やすくなります。

 

 

日焼けを引き起こす主な疾患

日焼けは単なる肌の色変化ではなく、皮膚の健康に深刻な影響を及ぼします。

 

シミ、そばかす、肝斑

紫外線が原因で、肌内部のメラニン色素が過剰に生成され、色素沈着を起こします。

 

光老化

長期にわたる紫外線の影響で、肌のハリや弾力が失われ、深いシワやたるみができます。

 

皮膚がん

紫外線を浴び続けることで、皮膚の細胞の遺伝子が傷つき、皮膚がんを発症するリスクが高まります。特に、悪性黒色腫(メラノーマ)は注意が必要です。

 

 

日焼けを和らげるために自分でできる対処法は?

 

うっかり日焼けをしてしまったら、すぐに以下の対処を行いましょう。

 

冷やす

炎症を抑えるため、冷たいタオルや保冷剤で日焼けした部分を冷やします。

 

保湿

肌の水分が失われているため、化粧水や乳液などでたっぷりと保湿します。

 

安静にする

症状が落ち着くまでは、再度紫外線を浴びないよう注意し、安静に過ごします。

 

水分補給

全身の水分が失われているため、こまめな水分補給を心がけましょう。

 

 

受診をした方が良い場合は?

セルフケアだけでは改善しない場合や、以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

 

・日焼けした部分に強い痛みや水ぶくれがある

・広範囲にわたるやけどのような症状がある

・頭痛や発熱、吐き気など、全身の体調不良がある

・セルフケアをしても症状が悪化する

 

 

どのような検査が必要で、何を調べる?

当院では、まず患者様のお話をじっくり伺い、丁寧に診察を行います。

視診(肌の状態を目で見て確認すること)が中心となりますが、必要に応じて以下の検査を行うこともあります。

 

magnifierダーモスコピー検査

拡大鏡を用いて、シミやホクロの形、色を詳しく観察し、皮膚がんの可能性がないかを調べます。

 

 

どのような診断と治療が行われるの?

当院では、患者様一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた治療プランをご提案します。

 

外用薬の処方

炎症を抑えるためのステロイド外用薬や、かゆみ止めなどを処方します。

内服薬の処方

炎症や痛みがひどい場合は、抗炎症剤や鎮痛剤などを処方します。

美白ケア

日焼け後の色素沈着を抑えるため、美白効果のあるクリームや内服薬をご提案することも可能です。

 

 

最後に…

日焼けは、放置しておくと将来の肌トラブルにつながる可能性があります。

しかし、正しい知識と予防法を知っていれば、健やかで美しい肌を守ることができます。

当院は、地域の皆様の「かかりつけ医」として、病気の治療はもちろん、予防や日々の健康管理についてもサポートしたいと考えています。

もしお肌のことで何か気になることがあれば、どうぞお気軽に菊川内科皮膚科クリニックへお越しください。

 

 

~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~

 

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.08.29更新

 

じんましんとは

じんましん(蕁麻疹)は、突然皮膚に赤みや膨らみ(膨疹)が現れ、強いかゆみを伴う病気です。

多くは数時間以内に消え、跡は残りません。

原因や症状はさまざまですが、日常生活の中で比較的よくみられる皮膚疾患です。

多くの場合は命にかかわりませんが、まれに重症化することもあります。

 

症状の特性

じんましんの症状は、皮膚に急に現れる赤い膨らみと強いかゆみです。

膨疹は地図状に広がることもあり、数ミリから数センチまで大きさはさまざまです。

特徴的なのは、数時間以内に消えてしまうことです。掻くことで広がったり悪化したりすることもあります。

まぶたや唇、のどなど粘膜に症状が出ると、腫れや息苦しさを伴うことがあり、注意が必要です。

 

じんましんが起こるきっかけ

じんましんはさまざまなきっかけで発症します。

代表的なものには、特定の食べ物(魚介類、卵、乳製品、ナッツなど)、薬剤(抗生物質、解熱鎮痛剤など)、感染症、ストレス、疲労、物理的刺激(圧迫、摩擦、寒冷、日光など)、発汗や運動、アレルギー反応などがあります。

原因が特定できない場合も多く、その場合は「特発性じんましん」と呼ばれます。

 

じんましんのタイプ

じんましんは、発症の仕方や原因によっていくつかのタイプに分かれます。

急性じんましん

発症から1か月以内に治まるもの。多くは数日~1週間で治ります。

 

慢性じんましん

1か月以上、繰り返し症状が出るもの。原因不明なことが多いです。

 

物理性じんましん

皮膚への圧迫や摩擦、寒冷、温熱、日光などで起こるもの。

 

コリン性じんましん

発汗や運動、入浴などで体温が上がったときに現れる小さな膨疹。

 

アレルギー性じんましん

特定の食物や薬剤、虫刺されなどで発症します。

 

 

発生部位ごとの特性

じんましんは体のどこにでも発症しますが、まぶたや唇、のどなど粘膜に出る場合は特に注意が必要です。

のどや気道が腫れると呼吸困難を引き起こすことがあり、緊急対応が必要となります。

 

 

じんましんを引き起こす主な疾患

じんましんは単独で発症することもありますが、他の疾患が原因となる場合もあります。

代表的なものには、感染症(ウイルス、細菌、真菌)、自己免疫疾患(甲状腺疾患、膠原病)、内臓疾患(肝臓や腎臓の病気)、アレルギー疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎)などがあります。

これらが関与している場合は、他の症状も伴うことが多いです。

 

 

セルフケアのポイント

じんましんの症状を和らげるためのセルフケアには、以下のような方法があります。

 

・かゆい部分を冷やす

・刺激の強い衣服や化粧品を避ける

・入浴はぬるめのお湯で短時間にする

・アルコールや香辛料など、血行を促進するものを控える

・ストレスや疲労をためない

・規則正しい生活を心がける

・原因と思われる食べ物や薬を控える

 

ただし、症状が強い場合や広範囲に及ぶ場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。

 

 

受診するタイミング

次のような場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

 

・じんましんが繰り返し出る、1週間以上続く

・顔やのど、口の中に腫れが出た

・息苦しさや声がれ、呼吸困難がある

・全身に広がる、発熱や倦怠感を伴う

・市販薬やセルフケアで改善しない

 

特に、呼吸困難や意識障害を伴う場合は、すぐに救急受診が必要です。

 

 

検査と診断

じんましんの診断は、基本的に問診と視診で行います。

必要に応じて、血液検査やアレルギー検査、皮膚テストなどを実施します。

検査は症状や経過、全身状態に応じて選択されます。

 

 

治療について

じんましんの治療は、抗ヒスタミン薬の内服が基本です。

症状が強い場合には、ステロイド薬や他の薬剤を併用することもあります。

原因が特定できれば、その除去や回避が重要です。

慢性じんましんの場合は、生活習慣の見直しやストレス管理も大切です。

 

 

診察の流れ

診察では、症状の経過や発症状況、既往歴、服用薬、生活習慣などについて詳しくお聞きします。

皮膚の状態を観察し、必要に応じて検査を行います。

原因が特定できる場合は、その説明と対策をお伝えします。

不安な点や気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。

 

最後に
じんましんは多くの場合、適切な治療とセルフケアで改善します。しかし、重症化することもあるため、自己判断せず、気になる症状があれば早めに皮膚科を受診してください。当院では、患者さん一人ひとりの症状や生活背景に合わせた診療を心がけています。お困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.08.25更新

 

 

クーラー病とは?

暑い夏にエアコンは欠かせないものですが、「クーラー病」という言葉を聞いたことはありますか?

正式な病名ではありませんが、冷房の効いた部屋と暑い外気との急激な温度差によって、私たちの体の調子が崩れてしまうことを指します。

自律神経のバランスが乱れることが主な原因です。

 

症状の特徴

クーラー病の症状は人によってさまざまですが、以下のようなものがよく見られます。

 

explosion手足の冷えやむくみ

explosionだるさや疲労感

explosion肩こり、頭痛、腰痛

explosionお腹の不調(腹痛、下痢、便秘)

explosion食欲不振

explosion風邪のような症状

 

クーラー病が起こる原因

私たちの体には、自律神経の働きによって体温を一定に保つ機能が備わっています。

しかし、冷房の効いた室内と暑い屋外を頻繁に行き来すると、この自律神経が過剰に働いてしまい、バランスが崩れてしまうのです。

すると、血行不良や体温調節機能の低下が起こり、さまざまな不調として体に現れます。

 

クーラー病の症状の種類

クーラー病は、主に「冷え型」「乾燥型」「自律神経失調型」の3つに分けられます。

 

・冷え型

冷えによって血行が悪くなり、手足の冷えやむくみ、肩こりなどの症状が出ます。

 

・乾燥型

エアコンの風で皮膚や喉、目が乾燥し、肌荒れやドライアイ、喉の痛みなどを引き起こします。

 

・自律神経失調型

温度差によるストレスで自律神経が乱れ、だるさ、頭痛、不眠、イライラなどの症状が出ます。

 

クーラー病の発生部位ごとの特徴

体の冷えが原因で、不調が特定の部位に現れることがあります。

 

・首、肩

血行不良により、肩や首の筋肉がこわばり、肩こりや首こりの原因になります。

・お腹

内臓が冷えることで、消化機能が低下し、腹痛や下痢を引き起こしやすくなります。

・足

冷気は下にたまりやすいため、特に足元が冷えやすく、むくみや冷えの原因になります。

 

クーラー病が引き起こす主な疾患

クーラー病そのものが病気というわけではありませんが、その症状が他の疾患と重なることがあります。

例えば、自律神経の乱れがひどくなると自律神経失調症に近い状態になることもありますし、冷えからくる頭痛は片頭痛と間違われることもあります。

 

クーラー病を和らげるために自分でできる対処法は?

まずはご自宅でできる簡単な対策を試してみましょう。

 

エアコンの温度調整: 外気温との差が5℃以内になるように設定するのが理想です。難しければ、設定温度を28℃くらいにしてみましょう。

 

体を冷やさない工夫: カーディガンやひざ掛け、腹巻などを活用して、冷たい空気が直接体に当たらないようにしましょう。

 

温かいものを摂る: 冷たい飲み物や食べ物を避け、温かいスープや飲み物を意識して摂るようにしましょう。

 

入浴: シャワーで済まさずに、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、体の芯から温まり、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。

 

適度な運動: ウォーキングやストレッチなどの軽い運動で血行を良くし、冷えにくい体を目指しましょう。

 

受診をした方が良い場合は?

自己対処をしても症状が改善しない場合や、以下のような症状がある場合は、医療機関の受診をおすすめします。

explosion強い頭痛や吐き気がある

explosionめまいや立ちくらみが頻繁に起こる

explosion倦怠感がひどく、日常生活に支障が出ている

explosion原因不明の腹痛や下痢が続いている

explosion女性の場合は、生理不順がひどくなった

 

どのような治療が行われるの?

診断は、問診と検査結果を総合的に判断して行います。

治療の中心は、生活習慣の改善や自律神経のバランスを整えるためのアドバイスです。

必要に応じて、症状を和らげるための内服薬を処方することもあります。

 

最後に…
夏の体調不良は「暑さのせい」と我慢しがちですが、実はクーラー病かもしれません。

早めの対策で、元気に夏を乗り切りましょう。

何か気になる症状があれば、いつでもお気軽に菊川内科皮膚科クリニックにご相談ください。

 


監修:俊爽会 理事長 

日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 

日本内科学会 総合内科専門医  小林俊一

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.08.22更新

「ひょうそ」とは?

「ひょうそ」という言葉、あまり聞きなれないかもしれません。

でも、爪の周りが赤く腫れて、ズキズキと痛んだり、膿が出たりする症状に心当たりのある方は多いのではないでしょうか?

「ひょうそ」は、医学的には「爪囲炎(そういえん)」や「化膿性爪囲炎(かのうせいそういえん)」と呼ばれ、爪の周りの皮膚に細菌が感染して炎症を起こす病気のことです。

特に、指先をよく使う方、手や足に小さな傷ができやすい方、甘皮のお手入れをする方などは、注意が必要です。

 

「ひょうそ」の症状の特徴

ひょうそは、症状の進行によって現れ方が変わります。

初期の段階では、爪の周りが少し赤くなり、軽い痛みを感じる程度です。

しかし、時間が経つにつれて以下のような症状が出てきます。

 

・爪の周りの赤みと腫れ

・ズキズキとした強い痛み

・患部を押すと白い膿が出てくる

・熱を持った感じ

 

ひどくなると、爪が変形したり、剥がれてしまったりすることも。

特に、膿が出始めたら炎症がかなり進んでいるサインです。早めの対処が大切になります。

 

 

「ひょうそ」が起こる原因

ひょうその主な原因は、爪の周りの小さな傷から細菌が侵入することです。

例には、こんなものがあります。

 

・甘皮の処理

ネイルケアで甘皮を無理に押し上げたり、切りすぎたりすると、皮膚が傷つきやすくなります。

 

・深爪

深く爪を切りすぎると、爪の周りの皮膚が傷つき、細菌が入り込む隙間ができます。

 

・ささくれ

爪の周りのささくれを無理に引っ張ったり、噛んだりする癖がある方は要注意です。

 

・外傷

突き指や転倒などで指先をぶつけた際、小さな傷ができることがあります。

 

これらの傷口から、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌といった細菌が入り込み、炎症を引き起こすのです。

 

 

「ひょうそ」の種類

ひょうそには、急性と慢性の2種類があります。

 

急性ひょうそ

細菌感染が原因で、急激に症状が現れます。

ズキズキとした強い痛みや腫れ、膿が特徴です。

治療をすれば比較的早く治ります。

 

慢性ひょうそ

カビ(真菌)や特定の菌が原因で、症状がゆっくりと進行します。

腫れや赤みが長期間続き、治りにくいのが特徴です。

特に水仕事をされる方や、糖尿病などの持病がある方は注意が必要です。

 

「ひょうそ」の発生部位ごとの特徴

ひょうそは、手足の指、どの指にも起こる可能性があります。

特に多いのは、親指や人差し指です。

 

手の指

日常的に物を触ったり、作業をしたりすることが多いため、小さな傷ができやすく、ひょうそになりやすい傾向があります。

 

足の指

蒸れやすい靴を履いていると、細菌が繁殖しやすい環境になります。

また、巻き爪や爪の切り方が悪いと、ひょうそを引き起こすことがあります。

 

 

「ひょうそ」を和らげるために自分でできる対処法は?

症状が軽いうちであれば、ご自宅でできることがあります。

 

・清潔に保つ

患部を石鹸で優しく洗い、清潔な状態を保ちましょう。

 

・消毒

消毒液(アルコールやイソジンなど)で患部を消毒し、細菌の繁殖を防ぎます。

 

・保護

清潔なガーゼや絆創膏で患部を覆い、外部からの刺激や細菌の侵入を防ぎましょう。

 

ただし、これらの対処はあくまで応急処置です。

腫れや痛みがひどい場合、膿が出ている場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。

 

 

どのような時に受診をした方が良い?

「ちょっとしたことだし…」と我慢してしまう方がいらっしゃいますが、以下のような症状が出たら、早めに皮膚科を受診しましょう。

 

・痛みが強く、日常生活に支障が出ている

・腫れが広がり、指全体が赤くなっている

・白い膿が出てきた

・熱が出たり、寒気がしたりする

・市販薬を試しても症状が改善しない

 

 

どのような検査が必要で、何を調べる?

当院では、まず医師が患部を丁寧に診察し、症状の程度を確認します。

 

視診

患部の赤み、腫れ、膿の状態を目で見て確認します。

 

触診

患部を軽く押して、痛みの有無や硬さを確認します。

 

細菌検査

膿が出ている場合は、その一部を採取し、原因となっている細菌の種類を特定します。

この検査によって、適切な抗生物質を選ぶことができます。

 

どのような診断と治療が行われるの?

診断の結果、ひょうそであることがわかった場合、症状の程度に合わせて治療法を提案します。

 

・軽度の炎症

抗生物質入りの塗り薬や、内服薬で炎症を抑えます。

 

・膿が溜まっている場合

必要に応じて、局所麻酔を行い、メスで皮膚を小さく切開し、溜まった膿を出す処置を行います。

この処置によって、痛みが劇的に和らぎ、治りも早くなります。

 

どのような診察が行われるの?

当院では、患者様の不安を和らげ、安心して治療を受けていただけるよう、丁寧な診察を心がけています。

 

問診

いつから症状が出たのか、どのような時に痛みを感じるかなど、詳しくお話を伺います。

 

視診・触診

患部の状態を細かく確認します。

 

治療方針の説明

診察の結果、どのような治療が必要か、治療期間はどれくらいかなど、わかりやすくご説明します。

 

ご不明な点や不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご質問ください。

患者様一人ひとりに寄り添い、最適な治療を提供できるよう努めています。

 

最後に…

「たかが爪の周りのこと」と軽視されがちなひょうそですが、放置すると重症化し、爪が変形したり、骨髄炎などの重い病気に繋がることもあります。

「あれ?これってどうなの?」と感じたら、迷わずご相談ください。

皆様の健康を、私たちが全力でサポートいたします。

 

都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

 

~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.08.15更新

アトピー性皮膚炎について


アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は、「アトピー素因」をもった人に発症する、かゆみを伴う慢性の皮膚の炎症です。

「アトピー素因」とは、アレルギーを起こしやすい体質のことで、具体的には、以下のような特徴が挙げられます。

 

・家族やご自身にアレルギー疾患(ぜんそく、アレルギー性鼻炎、結膜炎など)がある

・IgE抗体(アレルギー反応に関わる抗体)を作りやすい体質

 

このアトピー素因に加え、様々な要因が複雑に絡み合い、皮膚のバリア機能が低下し、炎症が起こりやすい状態になります。

症状は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、慢性的に続きます。

 

疫学

アトピー性皮膚炎は、世界中で患者数が増加している疾患です。

特に先進国での発症率が高く、日本では、小児の10~20%、成人の5~10%が罹患していると言われています。

乳幼児期に発症することが多いですが、近年では成人になってから初めて発症するケースも増えています。性差による大きな違いはありません。

季節によって症状に変化が見られることも多く、冬場は空気が乾燥することで悪化しやすく、夏場は汗をかくことでかゆみが増すことがあります。

このように、アトピー性皮膚炎は、その時の環境や体調に大きく左右される病気なのです。

 

原因
アトピー性皮膚炎の原因は、一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っています。


1. 皮膚のバリア機能の低下

私たちの皮膚は、外からの刺激や異物の侵入を防ぎ、体内の水分が蒸発するのを防ぐ「バリア機能」をもっています。

アトピー性皮膚炎の患者様の皮膚は、このバリア機能が低下していることが分かっています。

その原因の一つとして、フィラグリンというタンパク質が関わっています。

フィラグリンは、皮膚の角質層を形成する重要な成分ですが、アトピー性皮膚炎の患者様の中には、このフィラグリンを作る遺伝子に異常がある方がいることが分かっています。

フィラグリンが不足すると、皮膚の細胞同士の結びつきが弱くなり、スカスカの状態になってしまいます。

その結果、アレルゲン(ダニ、ほこり、花粉など)や刺激物質(汗、石鹸、洗剤など)が皮膚の奥に侵入しやすくなり、さらに、皮膚の水分が外に逃げやすくなるため、乾燥肌になりやすいのです。

 

2. 免疫機能の異常

アトピー性皮膚炎の患者様は、免疫機能に異常があり、アレルゲンに対して過敏に反応してしまいます。

通常は無害な物質であるダニやほこりに対しても、過剰な免疫反応が起こり、炎症を引き起こします。

 

3. 遺伝的要因

アトピー性皮膚炎は、遺伝的な要因が大きく関わっています。

両親のどちらか、または両方がアトピー性皮膚炎である場合、お子様が発症するリスクは高くなります。

 

4. 環境要因

環境要因もアトピー性皮膚炎の発症や悪化に影響を与えます。

 

・アレルゲン: ダニ、ほこり、ハウスダスト、花粉、ペットのフケなど

・刺激物質: 汗、乾燥、紫外線、衣類の摩擦、石鹸、洗剤、シャンプーなど

・ストレス: 精神的なストレスは、かゆみを増幅させ、症状を悪化させることがあります。

・食生活: 特定の食物がアレルゲンとなり、症状を引き起こすこともあります。

 

これらの要因が複合的に作用し、皮膚のバリア機能が破綻し、かゆみと炎症の悪循環に陥るのです。

 

診断

アトピー性皮膚炎の診断は、主に問診と視診によって行われます。

診断のポイントは以下の通りです。

 

・かゆみがあること
・皮膚炎が慢性的(乳児では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上)に続いている、または繰り返していること
・皮膚炎の分布や特徴(左右対称性、年齢による特徴的な皮疹)
・アトピー素因(家族歴や既往歴)の有無

 

これらの基準を総合的に判断して診断を下します。血液検査でIgE抗体の値や、特定のアレルゲンに対するIgE抗体を調べることがありますが、これはあくまで補助的な診断です。

 

治療

アトピー性皮膚炎の治療は、「悪化要因を取り除くこと」と「皮膚の炎症を抑えること」の2つが柱となります。

 

1. 生活習慣の改善

薬物療法に加えて、日々の生活習慣を見直すことが、治療の成功には不可欠です。

 

保湿: 乾燥はアトピー性皮膚炎の大敵です。入浴後や、乾燥が気になる時には、こまめに保湿剤を塗るようにしましょう。

 

スキンケア: 強くこすらず、優しく洗うことが大切です。刺激の少ない石鹸やシャンプーを選び、ぬるま湯で洗い流しましょう。

 

汗対策: 汗をかいたら、すぐにシャワーを浴びたり、濡れたタオルで拭いたりして、清潔な状態を保ちましょう。

 

衣類: 肌触りの良い綿素材の衣類を選び、ウールや化学繊維など刺激の強い素材は避けましょう。

 

アレルゲン対策: 部屋をこまめに掃除し、ダニやほこりを取り除くようにしましょう。

 

ストレス対策: 適度な運動や趣味を見つけるなどして、ストレスを上手に発散することも大切です。

 

 

2. 薬物療法

アトピー性皮膚炎の治療薬には、外用薬と内服薬があります。

 

外用薬(塗り薬)

(1)ステロイド外用薬

炎症を強力に抑える効果があります。症状の程度に合わせて、弱いものから強いものまで、様々な種類があります。

副作用を心配される患者様もいらっしゃいますが、医師の指示通りに、適切な量を、適切な期間使用すれば、副作用のリスクは最小限に抑えられます。

自己判断で塗るのをやめたり、量を減らしたりせず、必ず医師の指示に従ってください。

 

(2)タクロリムス軟膏

ステロイドではない、新しいタイプの外用薬です。ステロイドでコントロールが難しい場合や、顔など皮膚の薄い部分に使用されることが多いです。

 

(3)コレクチム軟膏

JAK阻害剤という新しいタイプの塗り薬で、かゆみと炎症の原因となるサイトカインの働きをブロックします。

2020年に保険適用となり、新たな治療選択肢として注目されています。

 

内服薬(飲み薬)

(1)抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬

かゆみを抑えるために使用されます。眠気などの副作用に注意が必要です。

(2)ステロイド内服薬

重症の場合に、一時的に炎症を抑えるために使用されます。長期使用は副作用のリスクがあるため、医師の指示を厳守してください。

(3)シクロスポリン内服薬

免疫抑制剤の一種で、重症の患者様に使用されます。

 

3. 生物学的製剤(注射薬)

従来の治療で効果が見られない、重症の患者様に対する新しい治療法です。

 

4. 光線療法

紫外線の一種であるUVAやUVBを患部に照射することで、炎症を抑える治療法です。

週に数回、医療機関で治療を行います。

 

予防、対策

アトピー性皮膚炎は、症状の波があるため、良い状態を保つことが重要です。

1. 日常生活での対策

毎日のスキンケア: 保湿と洗浄を習慣化しましょう。

掻かない工夫: かゆみを感じたら、冷やす、保湿剤を塗るなどして、掻かないように心がけましょう。爪を短く切ることも有効です。

環境整備: こまめな掃除、換気を行い、アレルゲンを減らしましょう。

体調管理: 規則正しい生活、バランスの取れた食事、十分な睡眠は、免疫力を高め、症状の安定に繋がります。

 

2. 医師との連携

アトピー性皮膚炎の治療は、患者様と医師の二人三脚で進めていくことが大切です。

症状が落ち着いている時でも、定期的に診察を受け、皮膚の状態をチェックしてもらいましょう。

症状が悪化した場合や、かゆみで眠れないなど、日常生活に支障をきたす場合は、すぐに受診してください。

 

その他

1. 食物アレルギーとの関係

乳幼児期のアトピー性皮膚炎では、食物アレルギーを合併していることがあります。

しかし、自己判断で特定の食べ物を除去することは、栄養不足に繋がる可能性があるため、必ず医師の指導のもとで行ってください。

 

2. 合併症

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下しているため、細菌やウイルスに感染しやすい状態です。

特に、とびひ(伝染性膿痂疹)やヘルペスなどの感染症には注意が必要です。

また、アトピー性皮膚炎の患者様は、アレルギー性鼻炎や気管支ぜんそく、アレルギー性結膜炎などを合併しやすいことが知られています。

 

3. 精神的なケア

かゆみや見た目の問題から、精神的なストレスを感じる患者様も少なくありません。ご家族や周囲の理解とサポートが非常に大切です。

 

最後に

アトピー性皮膚炎は、完治が難しい病気と言われることもありますが、適切な治療と日々のケアで、症状をコントロールし、健やかな肌を保つことは十分に可能です。

つらい時は一人で悩まず、いつでもご相談ください。

 

都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.08.04更新


夏の体調不良、もしかして「食中毒」かも?

いよいよ本格的な夏がやってきました。

夏は楽しいイベントがたくさんありますが、実は体調を崩しやすい季節でもあります。

「夏風邪かな?」と思っていたら、実は食中毒だった、なんてことも珍しくありません。

「食中毒って、なんだか他人事のように感じる…」そんな方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、食中毒の原因菌は、身の回りのどこにでも潜んでいます。

このブログでは、食中毒を予防するためのヒントや、もしもの時の対処法等についてお話しさせていただきます。

 

食中毒とは?症状の特徴と原因

食中毒とは、食べ物や飲み物と一緒に、体に有害な細菌やウイルスなどが体内に入り、お腹の調子が悪くなる病気です。

食中毒と聞くと、激しい下痢や嘔吐をイメージされるかもしれませんが、軽度の発熱や腹痛、倦怠感だけで済む場合もあります。

 

主な症状は以下の通りです。

 

・下痢

・嘔吐、吐き気

・腹痛

・発熱

・全身の倦怠感

 

これらの症状は、原因となる菌やウイルスによって、食べた直後から数日後まで、現れるタイミングが異なります。

 

 

食中毒が起こる主な原因

食中毒の原因は多岐にわたりますが、夏の食中毒の多くは「細菌性食中毒」です。

高温多湿な環境は、細菌が繁殖するのに最適なため、食材の管理には特に注意が必要です。

主な原因菌としては、サルモネラ菌やカンピロバクターなどが知られています。

これらは加熱が不十分な肉や卵、生野菜などから感染することが多く、ご家庭でも注意が必要です。

 

もしも食中毒かな?と思ったら…自分でできる対処法

「なんだかお腹の調子が悪い…」と感じた時、ご自身でできる対処法はいくつかあります。

 

1. 水分補給をこまめに行う

下痢や嘔吐で一番怖いのは脱水症状です。

スポーツドリンクや経口補水液を少しずつ、こまめに飲むようにしてください。

 

2. 胃腸を休ませる

症状がひどい時は、食事は控えて胃腸を休ませてあげましょう。

症状が落ち着いてきたら、おかゆなど消化の良いものから少しずつ始めてください。

 

3. 下痢止め薬は自己判断で使わない

下痢は、体内にいる悪い菌や毒素を外に出そうとする体の防御反応です。

下痢止め薬で無理に止めてしまうと、かえって症状が悪化することもあります。

必ず医師にご相談ください。

 

こんな時はすぐにクリニックへ!
自分でできる対処法で様子を見ることも大切ですが、次のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

・激しい下痢や嘔吐が止まらない

・血便がある

・水分がまったく摂れない

・高熱が続く

・お子様やご高齢の方、持病をお持ちの方

 

「もう症状が治まってきたけど、なんだかお腹の調子がずっと良くない…」

そんな場合も、ご相談ください。

一見、食中毒の症状が落ち着いたように見えても、別の病気が隠れている可能性もあります。

 

診断と治療

食中毒が疑われる場合は、まず問診で症状や食事内容を詳しく伺い、必要に応じて便の検査などで原因を特定します。

症状がひどい場合は、点滴で水分補給を行い、症状を和らげるためのお薬を処方します。

 

当院は内視鏡検査にも力を入れております。

「胃カメラ」や「大腸カメラ」と聞くと、辛いイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、当院では患者様の負担をできる限り軽減できるよう、最新の内視鏡システムを導入しています。

「便秘や下痢が続く」「お腹の張りが気になる」といった慢性的な不調には、内視鏡検査で根本的な原因を調べることが大切です。

早期発見・早期治療のためにも、定期的な検査をお勧めしています。

 

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最後に…

食中毒は、日頃のちょっとした心がけで予防できる病気です。

食中毒予防の3原則「つけない・増やさない・やっつける」を意識して、安全な食生活を心がけましょう。

お腹の不調は、食中毒だけでなく、様々な病気のサインかもしれません。

些細なことでも「気になるな」と思ったら、お一人で悩まずに、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

 

 


監修:俊爽会 理事長 

日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 

日本内科学会 総合内科専門医  小林俊一

 

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.07.14更新

胃腸炎について


胃腸炎って何?

胃腸炎は、胃や腸の粘膜に炎症が起こることで、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こす病気の総称です。

主にウイルスや細菌の感染によって起こることが多いですが、食中毒や薬剤、アレルギーなどが原因となることもあります。

多くの場合、数日で自然に治りますが、脱水症状など注意が必要なケースもあります。

 

症状の特性

胃腸炎の主な症状は以下の通りです。

 

・吐き気・嘔吐

 食べたものや胃液を吐いてしまうことがあります。特に感染初期に強く出やすい傾向があります。

・下痢

便が水っぽくなったり、回数が増えたりします。ときに血が混じることもあります。

・腹痛

お腹がゴロゴロ鳴ったり、差し込むような痛みを感じることがあります。 

・発熱

原因によっては、微熱から高熱まで発熱を伴うことがあります。

・頭痛、倦怠感

全身の倦怠感や頭痛を伴うこともあります。


これらの症状は、原因となる病原体や個人の免疫力によって、その程度や出現の仕方が異なります。特に小さなお子さんや高齢の方では、脱水症状に注意が必要です。

 

胃腸炎が起こるきっかけ

胃腸炎は様々なきっかけで発生します。

 

・ウイルス感染

最も一般的な原因です。

ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが代表的で、感染者の便や嘔吐物から排出されたウイルスが口に入ることで感染(経口感染)します。

また、汚染された食品(特に二枚貝など)からの感染もあります。

 

細菌感染

カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌、腸炎ビブリオなどが原因となります。

主に生肉や加熱不十分な食品、汚染された水などを摂取することで感染します。

 

寄生虫感染

クリプトスポリジウムやジアルジアなど、稀に寄生虫が原因となることもあります。

 

薬剤性

抗生物質や特定の薬剤の副作用として胃腸炎に似た症状が出ることがあります。

 

アレルギー

特定の食品に対するアレルギー反応として、胃腸炎症状が現れることがあります。

 

胃腸炎のタイプ

胃腸炎は、その原因や発症の仕方によって大きく2つのタイプに分けられます。

 

①急性胃腸炎

突然発症し、短期間で治癒するタイプです。

ウイルスや細菌による感染が主な原因で、いわゆる「お腹の風邪」と呼ばれることもあります。

 

②慢性胃腸炎

症状が数週間から数ヶ月以上続くタイプです。

感染症が原因で慢性化することは稀で、ストレス、生活習慣、特定の疾患(過敏性腸症候群、炎症性腸疾患など)が関与していることが多いです。

 

胃腸炎の発生部位ごとの特性

胃腸炎は、炎症が起こる部位によって症状の特性が異なります。

 

・胃炎(胃の炎症)

吐き気、嘔吐、上腹部痛が中心です。

 

・小腸炎(小腸の炎症)

下痢、腹部のゴロゴロ感(腹鳴)、けいれん性の腹痛が特徴的です。

水分や栄養の吸収障害が起こりやすく、脱水になりやすい傾向があります。

 

・大腸炎(大腸の炎症)

下痢(ときに血便)、下腹部痛、しぶり腹(排便後も便が残っているような不快感)が中心です。

 

多くの胃腸炎では、胃から腸にかけて広範囲に炎症が及ぶため、これらの症状が複合的に現れることがほとんどです。

 

胃腸炎を引き起こす主な疾患

胃腸炎の症状を呈する主な疾患には、以下のようなものがあります。

 

・感染性胃腸炎

ノロウイルス、ロタウイルス、サポウイルス、アデノウイルスなどのウイルスや、カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌などの細菌によるものです。

・食中毒

毒素型(黄色ブドウ球菌、セレウス菌など)や感染型(サルモネラ、カンピロバクターなど)があり、汚染された食品を摂取することで発症します。

・薬剤性腸炎

特定の薬剤(抗生物質、NSAIDsなど)の使用によって、腸に炎症が起こる病気です。

・炎症性腸疾患

潰瘍性大腸炎やクローン病など、原因不明の慢性的な炎症が腸に起こる病気です。胃腸炎とは異なり、長期的な治療が必要となります。

・過敏性腸症候群

腸に明らかな異常がないにもかかわらず、ストレスなどで腹痛や下痢、便秘を繰り返す病気です。

 

胃腸炎を和らげるためセルフケアは?

胃腸炎の症状を和らげ、回復を早めるためには、自宅での適切なセルフケアが非常に重要です。

 

・十分な水分補給

嘔吐や下痢によって体から水分や電解質が失われるため、経口補水液などを少量ずつこまめに摂取し、脱水を予防することが最も重要です。

スポーツドリンクも有効ですが、糖分が多いものもあるため注意が必要です。

 

・消化に良い食事

胃腸に負担をかけないよう、消化の良いものを少量ずつ摂るようにしましょう。

おかゆ、うどん、すりおろしリンゴ、よく煮込んだ野菜などがおすすめです。脂っこいもの、香辛料の強いもの、冷たいもの、アルコール、カフェインなどは避けてください。

 

・体を休める

無理をせず、安静にして体力を回復させることが大切です。

 

・市販薬の利用

吐き気止めや整腸剤などの市販薬もありますが、自己判断での使用は避けて、薬剤師や医師に相談することをお勧めします。

特に下痢止め薬は、病原体の排出を妨げる可能性があるため、むやみに使用しない方が良い場合もあります。

 

受診するタイミングは?

多くの場合、胃腸炎は数日で自然に治まりますが、以下のような場合は医療機関を受診してください。

・激しい腹痛や嘔吐が続く
・血便や黒い便が出る
・38℃以上の高熱が続く
・脱水症状の兆候
・症状が改善しない、または悪化する
・乳幼児や高齢者、持病がある方 

 

どのような検査が必要で、何を調べる?

医療機関では、症状や診察所見に応じて、以下のような検査を行うことがあります。

・便検査

症状や状況に応じて、便中のウイルスや細菌、寄生虫の有無を調べることがあります。

・血液検査

必要に応じて、炎症の程度や脱水の有無、肝臓や腎臓の機能などを確認することがあります。

・内視鏡検査

症状が長引く場合や、血便が続くなど他の重篤な疾患(炎症性腸疾患や腫瘍など)が疑われる場合には、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)や大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)を検討することがあります。

これにより、直接胃や腸の粘膜の状態を観察し、必要に応じて組織を採取して病理検査を行うことで、より詳細な診断が可能です。

 


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どのような診断と治療が行われるの?

診断

主に問診と身体診察、必要に応じて便検査などから総合的に診断を行います。

多くの場合、症状の特徴からウイルス性胃腸炎と診断されることが多いです。

 

治療

胃腸炎の治療は、症状を和らげ、回復をサポートする対症療法が中心となります。

水分・電解質の補給: 脱水予防のため、経口補水液などでしっかり補給します。

症状を聞き、お薬が処方されることもあります。

 

どのような診察が行われるの?

内科クリニックでの診察では、主に以下のような流れで進みます。

問診

受付で記入された問診票を元に、医師が詳しく症状や経過、食歴、アレルギーの有無、既往歴、服用中の薬などを伺います。

 

身体診察

腹部の触診を行い、痛みのある場所や硬さ、お腹の音などを確認します。また、全身の状態(顔色、皮膚の乾燥具合など)から脱水の有無を評価します。

 

必要に応じた検査

医師の判断で、便検査や血液検査などを提案し、説明します。

 

診断と説明

診察や検査結果から病状を診断し、現在の状態や考えられる原因について詳しく説明します。

 

治療方針の説明と処方

症状を和らげるための薬の処方や、自宅での過ごし方、食事に関するアドバイスなど、治療方針を具体的に説明します。

 

再診の指示

必要に応じて、次回の受診の目安や、症状が悪化した場合の受診タイミングなどを伝えます。

 

 

最後に…

胃腸炎は、誰でもかかる可能性のある身近な病気です。

多くの場合、安静と水分補給で自然に回復しますが、症状が重い場合や長引く場合は、迷わず医療機関を受診してください。

特に小さなお子さんやご高齢の方、基礎疾患をお持ちの方は、重症化するリスクがあるため注意が必要です。

日頃からの手洗いの徹底や食品の適切な管理など、感染予防に努めることも大切です。

もし胃腸炎かな?と感じたら、無理せず早めにご相談ください。

 

 

都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

 

監修:俊爽会 理事長 

日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 小林俊一

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

2025.07.11更新

イボ(疣贅)について
皮膚にできる「イボ」は医学的に「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれ、多くはヒトパピローマウイルス(HPV)感染によるものです。

イボの基本知識から診断、治療、セルフケアまで解説いたします。


疣贅って何?
イボは皮膚の隆起で、多くはHPV感染による「ウイルス性疣贅」です。

ウイルスが微細な傷から侵入し、細胞が増殖して形成されます 。潜伏期間は1〜6ヶ月程度です。

加齢や紫外線が原因の「老人性イボ」など非ウイルス性のものもあります。

 

症状の特性
イボは通常、痛みやかゆみを伴いません。

しかし放置すると増殖し、他者へ感染させるリスクがあります。

ウイルス性イボは表面がざらざらした突起状です。

足の裏のイボは体重で平らになりやすく、歩行時に痛むことがあります。

イボに見られる黒い点は血管の塊です。

 

疣贅が起こるきっかけ
主な原因はHPV感染で、皮膚の傷から侵入します。

直接接触や、プールサイドなどを介した間接接触でも感染します。

免疫力低下時や皮膚に傷がある場合に発生しやすいです。非ウイルス性のイボは、紫外線、加齢、摩擦などが原因です。

 

 

疣贅のタイプ
イボはウイルス性と非ウイルス性に大別されます。

 

ウイルス性イボ

・尋常性疣贅(手足に多いざらざらした突起)

・扁平疣贅(顔や手の甲に多い平らな斑点)

・尖圭コンジローマ(性器周辺のカリフラワー状)

・伝染性軟属腫(子供に多い水いぼ) などがあります。

 

非ウイルス性イボ

・老人性疣贅(加齢・紫外線が原因の茶色い盛り上がり)

・軟性線維腫(首や脇の下のぶら下がったイボ) などがあります。

 

疣贅の発生部位ごとの特性
イボは部位により特性が異なります。

手足のイボは治療に難渋することが多く、足底イボはタコやウオノメと鑑別が必要です。

顔や首のイボは見た目の問題で治療希望が多いです。


疣贅を和らげるためのセルフケアは?
市販薬は角質を柔らかくする効果は期待できますが、ウイルス排除や組織除去はできません。

副作用が生じたら使用を中止し、皮膚科を受診してください。

無理に触ったり潰したりすると、ウイルスが広がり悪化や細菌感染のリスクがあります。

皮膚を清潔に保ち保湿し、免疫力を高める生活習慣も大切です。

 

受診するタイミングは?
イボは放置すると増えたり大きくなったり、他人に感染させるリスクがあるため、早めの受診が推奨されます。

短期間で増大・変化した場合、色や形が変わった場合(悪性腫瘍の可能性も)、痛みやかゆみが出た場合、市販薬が効かない場合は速やかに皮膚科を受診してください。

 

どのような検査が必要で、何を調べる?
皮膚科では主に以下の検査が行われます。

視診でほとんど診断可能ですが 、ダーモスコピー検査で詳細に観察します。

タコやウオノメとの鑑別には角質削りを行い、点状出血を確認します。

悪性腫瘍が疑われる場合は、皮膚生検(病理組織検査)で組織を詳しく調べます。

 

どのような診断と治療が行われるの?
イボの種類や状態に応じ、最適な治療法が選択されます。

 

・液体窒素療法

最も一般的で簡便な治療法です。-196℃の液体窒素でイボを凍結・壊死させます 。複数回繰り返す必要があります 。

 

・炭酸ガスレーザー治療

液体窒素で効果が見られにくい大型・難治性のイボに検討されます 。局所麻酔後、レーザーでイボ組織を蒸発させます 。

 

・内服薬(ヨクイニン)

免疫力向上を促しますが、単独効果は限定的です 。

 

・外用薬

強い酸で組織を腐食させたり、角質を柔らかくしたりします 。

 

どのような診察が行われるの?
医療機関では、まず受付で問診票にご記入いただき、医師がイボの状態を診察します。

イボの種類や治療法を説明し 、最適な治療方針を提案します。

納得いただければ施術を行い、治療後はスキンケアや注意点が説明され、定期的な通院で経過を観察します。

 

最後に…
イボは多くの方が経験する皮膚の悩みですが、適切な診断と治療で改善が期待できます。

放置すると増えたり、他人に感染させたり、まれに皮膚がんが隠れていることもあります。

気になるイボがあれば、お気軽に医療機関にご相談ください。

 


都営新宿線菊川駅より徒歩2分、菊川内科皮膚科クリニックです。

 


~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~

投稿者: 菊川内科皮膚科クリニック

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