「あれ?これってどうなの?」あなたの体の疑問に答えます!【日焼け編】
2025.09.05更新
「日焼け」と聞くと、「夏にうっかり焼いてしまった…」と、軽い肌トラブルのように思っていませんか?
実は、日焼けは単なる肌の色が変わる現象ではありません。
紫外線による肌のやけどであり、将来のシミやシワ、さらには皮膚がんのリスクを高める原因にもなります。
「まだ大丈夫だろう」と油断している方も、すでにきちんと紫外線対策をされている方も、このブログを読んで「なるほど!」と感じていただけたら、
ご自身の健康はもちろん、大切なご家族やご友人にもぜひ教えてあげてくださいね。
「日焼け」とは?
日焼けとは、太陽光に含まれる紫外線(UV)を浴びることで、肌がダメージを受ける現象のことです。
特に、シミやシワ、たるみなどの「光老化」**と呼ばれる肌の老化現象の主な原因となります。
日焼けには大きく分けて2つのタイプがあります。
サンバーン(Sunburn)
主にUVBという種類の紫外線が原因で起こる、肌が赤くなるやけどのような状態です。ヒリヒリとした痛みや水ぶくれを伴うこともあります。
サンタン(Suntan)
主にUVAという種類の紫外線が原因で起こる、肌が黒くなる状態です。肌の奥深くまで届き、メラニン色素を増やして肌の色を濃くします。
症状の特徴
日焼けの症状は、浴びた紫外線の量や時間、個人の肌タイプによって異なります。
サンバーン
肌が赤く炎症を起こし、ヒリヒリとした痛みを伴います。症状がひどい場合は、水ぶくれができたり、発熱や頭痛、吐き気などの全身症状が出ることもあります。
サンタン
数日〜数週間かけて肌の色が黒くなります。痛みは伴いませんが、肌のハリがなくなり、ゴワついた感触になることがあります。
「日焼け」が起こる原因
日焼けの直接的な原因は、太陽光に含まれる紫外線です。紫外線は、夏だけでなく、一年中、曇りの日や室内にも降り注いでいます。
UVA: 窓ガラスを通り抜け、肌の真皮層まで届きます。真皮のコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみの原因となります。
UVB: 窓ガラスは通り抜けにくいですが、肌の表皮に炎症を起こし、シミやそばかすの原因となります。
UVC: オゾン層で吸収されるため、地上にはほとんど届きません。
「日焼け」の種類と体の部位ごとの特徴
日焼けは、肌が受けるダメージの深さによって分類されます。
軽度(第1度熱傷)
肌が赤くなるサンバーン状態。
中度(第2度熱傷)
赤みとともに水ぶくれができる状態。強い痛みを伴います。
重度(第3度熱傷)
肌の奥深くまでダメージが及び、神経や血管も損傷する状態。非常にまれです。
日焼けは全身に起こりますが、顔、首、腕、足の甲など、衣類で覆われていない部分に特に症状が出やすくなります。
日焼けを引き起こす主な疾患
日焼けは単なる肌の色変化ではなく、皮膚の健康に深刻な影響を及ぼします。
シミ、そばかす、肝斑
紫外線が原因で、肌内部のメラニン色素が過剰に生成され、色素沈着を起こします。
光老化
長期にわたる紫外線の影響で、肌のハリや弾力が失われ、深いシワやたるみができます。
皮膚がん
紫外線を浴び続けることで、皮膚の細胞の遺伝子が傷つき、皮膚がんを発症するリスクが高まります。特に、悪性黒色腫(メラノーマ)は注意が必要です。
日焼けを和らげるために自分でできる対処法は?
うっかり日焼けをしてしまったら、すぐに以下の対処を行いましょう。
冷やす
炎症を抑えるため、冷たいタオルや保冷剤で日焼けした部分を冷やします。
保湿
肌の水分が失われているため、化粧水や乳液などでたっぷりと保湿します。
安静にする
症状が落ち着くまでは、再度紫外線を浴びないよう注意し、安静に過ごします。
水分補給
全身の水分が失われているため、こまめな水分補給を心がけましょう。
受診をした方が良い場合は?
セルフケアだけでは改善しない場合や、以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
・日焼けした部分に強い痛みや水ぶくれがある
・広範囲にわたるやけどのような症状がある
・頭痛や発熱、吐き気など、全身の体調不良がある
・セルフケアをしても症状が悪化する
どのような検査が必要で、何を調べる?
当院では、まず患者様のお話をじっくり伺い、丁寧に診察を行います。
視診(肌の状態を目で見て確認すること)が中心となりますが、必要に応じて以下の検査を行うこともあります。
ダーモスコピー検査
拡大鏡を用いて、シミやホクロの形、色を詳しく観察し、皮膚がんの可能性がないかを調べます。
どのような診断と治療が行われるの?
当院では、患者様一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた治療プランをご提案します。
外用薬の処方
炎症を抑えるためのステロイド外用薬や、かゆみ止めなどを処方します。
内服薬の処方
炎症や痛みがひどい場合は、抗炎症剤や鎮痛剤などを処方します。
美白ケア
日焼け後の色素沈着を抑えるため、美白効果のあるクリームや内服薬をご提案することも可能です。
最後に…
日焼けは、放置しておくと将来の肌トラブルにつながる可能性があります。
しかし、正しい知識と予防法を知っていれば、健やかで美しい肌を守ることができます。
当院は、地域の皆様の「かかりつけ医」として、病気の治療はもちろん、予防や日々の健康管理についてもサポートしたいと考えています。
もしお肌のことで何か気になることがあれば、どうぞお気軽に菊川内科皮膚科クリニックへお越しください。
~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~
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