こんにちは。菊川内科皮膚科クリニックです。
健康診断の結果が届き、「肝機能異常」という項目に再検査や要指導の判定がついて、ドキッとした経験はありませんか?
「お酒はそんなに飲まないのにどうして?」「どこも痛くないから再検査は今度でいいかな」……。そんな風に思われる方も多いかもしれません。
しかし、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなりのダメージを受けない限りSOSを出してくれない、とても我慢強い臓器なのです。
今回は、墨田区の皆様の健やかな毎日のために、知っているようで意外と知らない「肝機能異常」について、そして今日からできる具体的な改善策を詳しく紐解いていきたいと思います。
肝機能異常とは?
肝機能異常とは、血液検査の結果、肝臓の細胞がダメージを受けていたり、働きがスムーズにいっていなかったりすることを示す状態です。
よく目にする「AST(GOT)」「ALT(GPT)」「γ-GTP」といった数値は、本来は肝臓の細胞の中にある酵素です。
肝臓の細胞が壊れると、これらの酵素が血液中に漏れ出してしまうため、血液検査で数値が高く出るのです。つまり、数値が高いということは「今、肝臓で炎症が起きている」というサインなのです。
症状の特徴
肝機能異常の最大の特徴は、初期には**「ほとんど自覚症状がない」**ことです。
症状が出るまで放置してしまうと、かなり進行しているケースも少なくありません。あえて挙げるならば、以下のようなサインに注意が必要です。
• なんとなく体がだるい、疲れが抜けない• 食欲がわかない、吐き気がする
• 白目や皮膚が黄色っぽくなってきた(黄疸)
• 尿の色が、紅茶やウーロン茶のように濃い• お腹に張った感じがある
「最近、仕事が忙しいからかな?」と思っている疲れが、実は肝臓からの注意信号であることもあるのです。
肝機能異常が起こる原因
原因は人それぞれですが、現代において特に増えているのが「非アルコール性」のものです。
1. 生活習慣(食べ過ぎ・運動不足): 摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、中性脂肪が肝臓に蓄積します。
2. アルコールの過剰摂取: 長年の飲酒は肝臓に大きな負担をかけます。
3. 肝炎ウイルス: B型やC型などのウイルス感染によるもの。
4. お薬やサプリメント: 体質に合わない薬や、健康食品が原因となることもあります(薬剤性肝障害)。
肝機能異常の種類
一口に「異常」と言っても、その状態は様々です。
• 脂肪肝: 肝臓に脂肪が溜まった状態。いわば「肝臓のメタボ」です。
• 肝炎: 肝臓に炎症が起きている状態。
• 肝硬変: 炎症が長引き、肝臓が硬く小さくなってしまった状態。
肝機能異常の発生部位ごとの特徴
肝臓は非常に大きな臓器です。
• 肝細胞そのもの: ASTやALTの数値が主に反応します。
• 胆管(胆汁の通り道): γ-GTPやALPの数値が反応しやすく、胆石や胆管炎が隠れていることもあります。
肝機能異常を引き起こす主な疾患
特に注意が必要なのが、最近話題の**「NASH(ナッシュ:非アルコール性脂肪肝炎)」**です。お酒を飲まないから大丈夫と思っていても、脂肪肝から炎症が進み、肝硬変や肝がんに至ることが分かってきました。また、B型・C型肝炎ウイルスも、現在は飲み薬で治療できる時代ですので、早めの発見が重要です。
肝機能異常を和らげるために自分でできる対処法は?
肝臓は、環境を整えてあげれば修復が可能な、再生能力の高い臓器です。今日から始められる具体的なヒントをご紹介します。
① 食生活の工夫:肝臓に優しい食べ方
• 「糖質」と「脂質」の重ね食べを避ける: ラーメンとチャーハン、パスタとパンといった組み合わせは肝臓に脂肪を溜めやすくします。
• 食物繊維を先に食べる: 野菜、きのこ、海藻から食べ始めることで、糖や脂質の吸収を穏やかにします。
• 夜20時以降の食事を控える: 夜間に摂ったエネルギーは脂肪として肝臓に蓄積されやすいため、夕食は早めに済ませましょう。
② 節酒のコツ:楽しく長く付き合うために
• 「休肝日」を週2日: 連続して2日休むのが理想ですが、まずは週1日からでも「お酒を飲まない日」を作りましょう。
• チェイサー(お水)を飲む: お酒と同量のお水を飲むことで、アルコールの分解を助け、飲み過ぎを防止します。
• 度数の低いものを選ぶ: ストレートよりは割り、強いお酒よりは低アルコール飲料へシフトしてみましょう。
③ 適度な運動:脂肪を燃やす習慣
• 「ちょい足し」ウォーキング: 1駅分歩く、エスカレーターではなく階段を使うなど、1日プラス10分の活動を意識しましょう。
• 食後の軽い運動: 食後30分〜1時間後に15分程度の散歩をすると、血糖値の上昇が抑えられ、肝臓への負担が減ります。
• スクワット: 筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、肝臓の脂肪が燃えやすくなります。テレビを見ながらの「10回×3セット」から始めましょう!
受診をした方が良い場合は?
健診の結果で「要再検査」「要精密検査」と書かれていたら、数値の高さに関わらず受診をお勧めします。 「基準値を少し超えただけだから」と自己判断するのは禁物です。また、急激な倦怠感や黄疸が出た場合は、迷わずすぐに医療機関へ連絡してください。
どのような検査が必要で、何を調べる?
当院では、肝機能異常の原因を詳しく調べるために、院内で以下の検査をスムーズに実施できる体制を整えています。
1. 採血検査: 肝細胞のダメージ具合(AST/ALT)や、胆管系の指標(γ-GTP/ALP)だけでなく、肝炎ウイルスの有無や、肝臓の予備能力、さらには肝臓の「硬さ(線維化)」を推測する項目まで詳しく調べます。
2. 腹部超音波(エコー)検査: 当院では、超音波診断装置を導入しています。 痛みは全くなく、ゼリーを塗って機械を当てるだけで、肝臓の状態をリアルタイムで詳細に観察できます。
• 脂肪がどの程度溜まっているか(脂肪肝の程度)
• 肝臓の表面がデコボコしていないか(慢性肝炎や肝硬変の兆候)
• 肝臓内に腫瘍やポリープがないか
• 胆石や胆のうの腫れがないか などを、その場で医師が丁寧に確認いたします。
検査結果をもとに、原因が「生活習慣」なのか「ウイルス」なのか「その他」なのかを特定します。
•脂肪肝であれば、無理のない食事・運動プランの提案を行います。
• ウイルス性であれば、専門的な抗ウイルス薬の治療を検討します。 大切なのは、一人ひとりのライフスタイルに無理なく取り入れられる方法を一緒に見つけることです。
どのような診察が行われるの?
まずは、医師がじっくりとお話をお聞きします。普段の食事、お酒の量、服用中のお薬、最近の体調など。その後、お腹の診察(触診)を行い、必要に応じて当日の採血や後日のエコー予約など、スムーズな診療を心がけています。
最後に…
肝臓は、私たちが毎日を元気に過ごすためのエネルギーを作り、体の中を掃除してくれる、なくてはならないパートナーです。
もし「肝機能異常」という通知を受け取ったら、それは肝臓からの「少し休ませて」という小さなお願いかもしれません。当院は、墨田区にお住まいの皆様、お勤めの皆様が、10年後、20年後も笑顔で過ごせるよう、採血やエコー検査を通じて肝臓の健康を全力でお手伝いいたします。
「食事をどう変えたらいい?」「運動はどのくらいすべき?」といったご相談だけでも構いません。不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
健康や病気について学べるクリニック
都営新宿線菊川駅徒歩2分 菊川内科皮膚科クリニック
監修:俊爽会 理事長 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本内科学会 総合内科専門医 小林俊一






















