疾患のお話し【糖尿病について】
2025.11.20更新
皆さま、こんにちは。「菊川内科皮膚科クリニック」です。
「糖尿病」という名前はよく聞くけれど、「自分には関係ない」「症状がないから大丈夫」と思っていませんか?
糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどなく進行するため、「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれる怖い病気です。
「健康診断で少し血糖値が高いと指摘された」「家族に糖尿病の人がいる」「最近、喉が渇きやすい気がする」—。
そんなあなたの心に浮かんだ「あれ?これってどうなの?」という疑問を、当院が専門的な視点から、分かりやすく、やさしく解説します。
ご自身の、そして大切なご家族の健康を守るために、一緒に糖尿病の正しい知識を深めていきましょう。
「糖尿病とは?」
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)濃度が高すぎる状態が続く病気です。
通常、血糖値は「インスリン」というホルモンによって適切な値にコントロールされていますが、このインスリンの働きが悪くなったり、量が足りなくなったりすることで高血糖になります。
「症状の特徴」
初期の段階では、ほとんど症状がありません。
進行すると、以下のような症状が現れることがあります。
• 喉が異常に渇く(口乾)
•水分を沢山とる(多飲)
• 尿の回数や量が増える(多尿)
• 全身の倦怠感や疲れやすさ
• 急激な体重減少(ダイエットをしていないのに痩せる)
• 目のかすみや視力の低下 症状が出てからでは病気がかなり進行している可能性があるため、「ちょっとおかしいな」と思ったら放置しないことが重要です。
多尿や口乾・多飲は、糖尿病だけでなく他の病気が原因のこともあります。
体調に異変を感じたら、早めに医師に相談しましょう。
それが病気の早期発見につながります。
「糖尿病が起こる原因」
糖尿病の約95%は「2型糖尿病」で、主に遺伝的な体質に生活習慣が大きく関わって発症します。
• 食べ過ぎ、高カロリー食の偏り:インスリンを分泌する膵臓が疲弊します。
• 運動不足:インスリンが効きにくい体質(インスリン抵抗性)になります。
• 肥満:特に内臓脂肪の蓄積はインスリンの働きを妨げます。また、ストレスや加齢、その他の病気(膵炎など)も原因となることがあります。
「糖尿病の種類」
主に以下の種類に分けられます。
1型糖尿病:インスリンをほとんど作れなくなるタイプ。
自己免疫疾患などが原因で、子どもや若年者での発症が多いです。
2型糖尿病:インスリンの作用不足や分泌不足で起こるタイプ。
生活習慣が大きく関与し、日本人に最も多いです。
その他の特定の原因による糖尿病:遺伝子異常や他の病気、薬剤の影響で起こるもの。
妊娠糖尿病:妊娠中に初めて発見される、血糖値が高い状態。
「受診をした方が良い場合は?」
以下のようなサインが見られたら、すぐに当院にご相談ください。
• 健康診断で血糖値やHbA1cの値が高いと指摘されたが、そのままにしている。
• 上記のような多飲、多尿、倦怠感、体重減少といった症状が続く。
• ご家族やご親戚に糖尿病の方がいる(遺伝的リスクがある)。
• 40歳以上で肥満傾向にあり、生活習慣に自信がない。
自覚症状がなくても、検査数値の異常は受診の立派な理由です。
「どのような検査が必要で、何を調べる?」
主に血液検査を行います。
血糖値:採血時の血液中のブドウ糖濃度を調べます。
HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー):過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均を反映する数値で、コントロール状況を把握するために最も重要です。
「どのような診断と治療が行われるの?」
検査結果に基づき、専門の医師が診断を行います。
治療の基本は「食事療法」と「運動療法」の徹底です。
• 食事療法:管理栄養士と連携し、カロリーや栄養バランスの指導を行います。当クリニックでは、消化器内科としての知見も活かし、血糖値の急上昇を防ぐ食べ方(ベジタブルファーストなど)を分かりやすくアドバイスします。
• 運動療法:無理なく続けられるウォーキングなどの運動を提案し、インスリンの効きを良くします。
• 薬物療法:食事・運動療法で改善しない場合、飲み薬やインスリン注射の導入を検討します。患者様の状態や生活スタイルに合わせて、最適な治療法をご提案します。
「どのような診察が行われるの?」
当院の診察は、単に薬を出すだけでなく、患者様との対話を重視します。
• 丁寧な問診:最近の体調変化、食生活、運動習慣、ストレスの有無などを細かくお伺いします。
• 検査結果の説明:現在の血糖値やHbA1cの状態をグラフなどで分かりやすく説明し、目標値を共有します。
• 管理栄養士による栄養指導:「前回頑張ったこと」「今回、目標にすること」を一緒に決め、モチベーションを維持できるようサポートします。
私達は、患者様がご自身の病気を正しく理解し、主体的に治療に取り組めるよう、温かい雰囲気でサポートいたします。
「最後に…」
糖尿病は、早期に発見し、適切な治療を続ければ、元気に日常生活を送れる病気です。
大切なのは「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信ではなく、「もしかしたら」という小さな不安を見逃さないことです。
当院は、皆さまの「かかりつけ医」として、糖尿病の予防・治療はもちろん、合併症を防ぐための継続的なサポートをお約束します。
一緒に健康な未来を作りましょう!
健康診断の結果や、体の変化で気になることがあれば、どうぞお一人で悩まずにお気軽にご来院ください。
~~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一
日本内科学会 総合内科医 監修 ~~
健康や病気について学べるクリニック
都営新宿線菊川駅徒歩2分 菊川内科皮膚科クリニック
投稿者:






















