脂漏性皮膚炎

『脂漏性皮膚炎とは?』

脂漏性皮膚炎は、皮脂の多い部位に起こる炎症性皮膚疾患で、症状が改善と悪化を繰り返すことが特徴です。継続的なスキンケアと治療が大切になります。成人型では男性に多く見られます。また乳児型は生後3ヶ月頃までの赤ちゃんに多く、ほとんどの場合、自然と軽快します。

 

脂漏性皮膚炎の症状の特徴

主な症状として、皮膚の赤み、湿疹、かゆみ、フケ(鱗屑)が挙げられます。頭皮では脂っぽいかさぶた(乳痂)が見られることがあり、通常は脱毛を伴いません。好発部位は頭皮、顔(眉間、鼻のわき、耳まわり)、胸部、わきの下、股など皮脂腺の多い箇所です。これらの症状は他の皮膚疾患とも似ているため、正確な診断には皮膚科専門医の診察が必要です。

 

脂漏性皮膚炎が起こる原因

発症の直接的な原因は未解明ですが、皮膚に常在する「マラセチア」という真菌の一種が関係していると考えられています。マラセチアは皮脂を栄養源に増殖し、それが炎症の引き金になります。また、皮脂分泌の増加、遺伝的要因、免疫異常、ストレス、睡眠不足、ビタミンB群の不足、食生活の乱れ、紫外線、そしてパーキンソン病やHIV/AIDSといった疾患も関連するとされています。

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脂漏性皮膚炎の種類

脂漏性皮膚炎には「乳児型」と「成人型」があります。乳児型は母体由来のホルモンの影響で皮脂分泌が活発になり、頭皮のかさぶたや顔の赤みが特徴です。自然に治まることが多いです。成人型は30~70代の男性に多く、マラセチアの関与に加えて皮脂分泌、遺伝、ストレスなどが関係します。顔や頭皮、胸部などに赤みやフケがみられ、慢性化・再発しやすいため、根気強いケアが求められます。

 脂漏性皮膚炎の発生部位ごとの特徴

脂漏性皮膚炎は皮脂腺が多い場所に現れます。頭皮ではフケや赤み、かゆみが中心で、乳児ではかさぶた状の乳痂がみられます。顔では眉間、鼻の脇、耳まわりなどに赤みや皮むけ、乾燥が生じることがあります。乳児の場合はニキビのようなぶつぶつが出ることもあります。胸やわきの下、股などにも症状が現れることがあり、他疾患との見分けが重要です。

脂漏性皮膚炎を引き起こす主な疾患

脂漏性皮膚炎は、HIV/AIDSやパーキンソン病などの基礎疾患を持つ方に出やすく、重症化する場合もあります。アトピー性皮膚炎、乾癬、酒さ、接触性皮膚炎といった他の皮膚疾患とも似ており、鑑別診断が不可欠です。

『脂漏性皮膚炎の症状を和らげるために自分でできる対処法は?』

セルフケアの工夫は、症状の緩和と再発予防に役立ちます。頭皮や顔は優しく洗い、しっかり保湿を心がけてください。乳児の頭皮に見られるかさぶたには、オイルでやわらかくしてから洗い流すとよいでしょう。抗真菌成分入りのシャンプーも有効です。ストレスをためず、質のよい睡眠、栄養バランスの取れた食事(特にビタミンB群を意識)、脂質や糖分の摂取を控えること、紫外線への対策なども重要です。

『受診をした方が良い場合は?』

・セルフケアや市販薬でも改善が見られない、むしろ悪化している。
・強いかゆみや痛みがある。
・症状が広がっている、ひび割れや出血がある。
・他の皮膚疾患と区別がつかない場合。
・乳児の症状が長く続いたり、悪化してきたりしている。

上記症状があれば皮膚科の受診をお勧めます。

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『どのような診断と治療が行われるの?』

診断は主に視診と問診によって行います。そのうえで、患者様の年齢や症状に応じた治療法を選択します。治療では、炎症の軽減、マラセチアの抑制、皮膚バリアの回復がポイントとなります。乳児型では基本的にスキンケアが中心で、必要に応じて弱いステロイドや抗真菌薬を使用します。成人型では抗真菌外用薬が基本で、炎症が強ければステロイドを併用します。症状に応じてビタミンB群、抗ヒスタミン薬、抗生物質、漢方薬などが処方される場合もあります。

最後に…

脂漏性皮膚炎は皮脂腺が多い部位に起こる慢性かつ再発しやすい皮膚疾患で、マラセチア真菌、遺伝、免疫、生活習慣など多くの要因が関わっています。他の皮膚疾患と似ているため、自己判断は避けるべきです。

気になる症状があれば皮膚科専門医のいる菊川内科皮膚科クリニックへ、ぜひご相談ください。

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