水虫

「水虫の特徴は?」

水虫(みずむし)は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚や爪に感染して起こる感染症です。
主に足の指の間や足裏、爪などに発症しますが、手や体にもできることがあります。

「水虫が起こる原因は?」

水虫が起こる主な原因は、「白癬菌(はくせんきん)」というカビの一種が皮膚に感染することです。
白癬菌は皮膚の一番外側にある角質層に住みつき、ケラチンというタンパク質を栄養源として増殖します。
感染のきっかけとしては、以下のような状況が挙げられます。
・白癬菌が付着した場所(床、バスマット、スリッパなど)を素足で歩く
・靴や靴下で足が長時間蒸れるなど、高温多湿な環境が続く
・皮膚に小さな傷があると、そこから菌が侵入しやすい
・身近に水虫の人がいると感染リスクが高まる
・免疫力が低下している場合も感染しやすい
白癬菌は外からやってくる「非常在菌」であり、皮膚に付着してもすぐに感染するわけではなく、24時間以上かけて角質層に侵入し、湿度や温度が高い環境で増殖しやすくなります。

水虫の種類

水虫(足白癬)は、症状や発症部位によって主に以下の3つのタイプに分類されます。

・趾間型(しかんがた)

足の指の間(特に薬指と小指の間)にできやすく、皮膚が白くふやけてジュクジュクしたり、皮がむけたりする。赤みやびらん、水ぶくれを伴うこともある。

・小水疱型(しょうすいほうがた)

足の裏や土踏まず、足の縁に小さな水ぶくれ(水疱)ができる。かゆみが強く、乾燥すると皮がむける。梅雨や夏に悪化しやすい。

・角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)

足の裏やかかとの角質が厚くなり、ガサガサ・ひび割れが生じる。かゆみが少なく、長期間続くことが多い。

水虫の発症部位ごとの特徴

足の指の間(趾間型)
特徴:足の指の間、特に薬指と小指の間に多く発症します。
症状:皮膚が白くふやけてジュクジュクし、皮がむけ、赤くただれることがあります。進行するとひび割れや痛みを伴うこともあります。
かゆみ:強いかゆみを伴う場合もありますが、かゆみがないこともあります。
足の裏・足の縁(小水疱型)
特徴:足の裏や土踏まず、足の縁に発症します。
症状:小さな水ぶくれ(水疱)が多発し、乾燥すると皮がむけます。水ぶくれは破れても治療しない限り繰り返します。
かゆみ:かゆみが強いことが多く、特に梅雨や夏場に悪化しやすいです。
足の裏・かかと(角質増殖型)
特徴:足の裏全体やかかとに発症します。
症状:角質が厚くなり、表面がザラザラ・ガサガサしてひび割れが生じます。白い線や膜状の皮むけが見られることもあります。
かゆみ:かゆみが少ないか、ほとんどないことも多いです。
爪(爪白癬)
特徴:足の爪(特に親指)に発症します。
症状:爪が白く濁ったり、厚くなったり、もろく崩れやすくなります。爪全体が白っぽくなり、表面に縦じわができることもあります。

かゆみ:かゆみを伴わない場合がほとんどです。

水虫と合併症について

糖尿病患者は、一般の方よりも水虫(白癬菌感染症)にかかりやすく、重症化しやすいことが知られています。
高血糖状態が続くと、白血球や免疫に関わる細胞の機能が低下し、病原菌(白癬菌など)に対する抵抗力が弱まります。
水虫が悪化すると、足の組織が壊疽(えそ)し、最悪の場合、足の切断が必要になることもあります。また、爪白癬(爪水虫)にもなりやすい傾向があります。
糖尿病患者は、水虫になるリスクが約2.6倍、爪白癬になるリスクが約2.5倍高いというデータもあります。
糖尿病患者は、毎日の足の観察や清潔保持、保湿、爪の手入れなど、日常的なフットケアが非常に重要です。異変を感じたら、自己判断せず、早期に皮膚科や糖尿病専門医を受診してください。

 

水虫と糖尿病の関連性

糖尿病の患者様は免疫力の低下や皮膚の乾燥などにより水虫にかかりやすく、発症リスクが約2.6倍高くなります。重症化しやすいため、日々のフットケアと早期治療が重要です。あわせて糖尿病の有無やコントロール状態を確認するために、血糖値やHbA1cなどの血液検査も定期的に受けることをおすすめいたします。

水虫に対して自分で出来る対処方法

足を清潔に保つ
毎日、石けんで足の指の間まで丁寧に洗い、洗った後はしっかり水分を拭き取ります。湿ったままにしないことが大切です。
足の通気性を良くする
通気性のよい靴や靴下を選び、同じ靴を毎日履かずにローテーションしましょう。靴や靴下はこまめに洗い、乾燥させます。
薬は根気よく使い続ける
症状が改善しても、白癬菌は皮膚の奥に残っていることが多いため、最低1か月は薬を使い続けることが重要です。自己判断で中断しないようにしましょう。
家族への感染予防
バスマットやスリッパの共用を避け、床やカーペットもこまめに掃除します。家の中ではできるだけ素足を避けましょう。
靴や床の除菌
靴や靴下、床にアルコール除菌スプレーを使うと、白癬菌の繁殖を抑える効果があります。

水虫の症状で受診した方がいい場合

症状がなかなか治らない・悪化している場合
市販薬やセルフケアで改善が見られない、または症状が悪化しているときは、専門的な治療が必要です。
強いかゆみ、痛み、ただれ、ひび割れがある場合
かゆみが強く日常生活に支障がある、皮膚がただれてジュクジュクしている、ひび割れや出血を伴う場合は、放置せず受診しましょう。
発疹や水ぶくれ、膿が出る場合
発疹が広がる、水ぶくれや膿が出ている、炎症が強い場合は他の皮膚疾患の可能性もあるため、早めの診断が重要です。
爪の変色や変形、厚くなるなどの症状がある場合
爪が白色や褐色に濁る、厚くなる、ボロボロと欠ける、変形するなどの症状が出た場合は「爪水虫(爪白癬)」の可能性があり、治療が長期化するため早期受診が大切です。
症状が他の部位や家族に広がっている場合
足以外の部位や家族にも同様の症状が出ている場合、感染拡大を防ぐためにも受診が必要です


上記に当てはまることがあればまずは菊川内科皮膚科クリニックにご相談ください。

皮膚科診察のご予約はこちらから

「水虫はどのような検査が必要で何を調べたらいいですか?」

直接鏡検(顕微鏡検査)
方法:患部(皮膚や爪)の皮膚片や爪片をピンセットやハサミで採取し、スライドガラスにのせて水酸化カリウム溶液を加え、顕微鏡で観察します。
調べる内容:白癬菌(カビ)が存在するかどうかを直接確認します。菌糸や胞子が見つかれば水虫と診断されます。
特徴:診断が迅速(数分~20分程度)で、皮膚科で最も一般的な検査です。
真菌培養
方法:採取した検体を培地に植えて菌を培養し、どの種類の真菌かを特定します。
調べる内容:菌種の同定や、非典型的な症状、他の真菌感染との鑑別が必要な場合に行います。
特徴:結果が出るまで2週間ほどかかりますが、感染源や治療方針の決定に役立ちます。

「水虫はどのような診断と治療が行われますか?」

塗り薬(外用抗真菌薬)
皮膚の水虫には、抗真菌薬を1日1回、根気よく塗り続けます。治療期間は症状によって異なり、指の間型で2か月以上、小水疱型で3か月以上、角質増殖型で6か月以上が目安です。
飲み薬(内服抗真菌薬)
爪内服薬が使われます。内服期間は3か月~半年以上が一般的で、肝機能などの副作用管理のため定期的な血液検査が必要です。

 

最後に…

自己判断せず、正確な診断を受けること
水虫は白癬菌というカビが原因ですが、見た目や症状だけで自己診断するのは危険です。水虫に似た他の皮膚病も多く、皮膚科で顕微鏡検査(真菌検査)を受けて白癬菌の有無を確認することが重要です。
治療は根気よく続けること
症状が改善しても菌が完全にいなくなるまで治療を続けることが大切です。自己判断で薬をやめると再発しやすくなります。
家族や周囲への感染予防を意識すること
水虫は人にうつる感染症です。バスマットやスリッパの共用を避け、家の中では素足を控えるなど、家庭内での感染拡大を防ぐ工夫が必要です。
足を清潔かつ乾燥した状態に保つこと
足を丁寧に洗い、指の間までしっかり水分を拭き取る、通気性の良い靴や靴下を選ぶなど、白癬菌が繁殖しにくい環境づくりも大切です。
糖尿病の検査の為の血液検査をお勧めします
血糖値やHbA1cが基準値より高い場合、糖尿病の症状がある場合、肥満や家族歴、生活習慣病の合併などがあれば、糖尿病の血液検査を受けることをお勧めします。皮膚感染症を繰り返す方も、血糖値やHbA1cの検査が重要です。


菊川内科皮膚科クリニックでは内科と皮膚科の連携によりいろいろな角度から疾患にアプローチすることが可能ですのでまずはお気軽にご来院、ご相談ください。

皮膚科診察のご予約はこちらから

菊川内科皮膚科クリニック TEL0120-979-893 お気軽にお問い合わせください 内視鏡検査専用TEL:0120-979-893 菊川内科皮膚科クリニック TEL0120-979-893 お気軽にお問い合わせください 内視鏡検査専用TEL:0120-979-893