大腸カメラ検査では、大腸粘膜のごくわずかな変化も見逃さないように、腸内を「完全にクリーンな状態」にすることが必須です。

腸内に便が残っていると、内視鏡の視野が遮られ、正確な観察が不可能になってしまいます。

もし前処置が不十分な場合、病変の発見が困難になり、再検査が必要になるリスクも生じます。

下剤を服用し、腸内を洗浄することは、信頼性の高い検査結果を得るために不可欠な、最も大切な準備なのです。

当院では、患者様の年齢、普段の排便状況、持病などをきめ細かく考慮し、最適な下剤を一緒に選択します。

下剤服用への不安を抱える多くの患者様の声に応えるため、その悩みに寄り添えるよう、複数の下剤を取り揃えています。

「それでも心配…」という方のために、下剤の服用を少しでも快適にするための工夫をいくつかご紹介します。

これらの方法は、必ず担当の医師や看護師に事前に相談してから実践してください。

• ストローを活用する: コップから直接飲むと、口全体に味が広がりやすいですが、ストローを使うことで味覚への刺激を減らし、喉の奥へスムーズに流し込めます。

• ノンシュガーのアイテムで口直し: 下剤を飲む合間に、ノンシュガーの飴を舐めたり、ガムを噛んだりして、口の中の風味をリフレッシュするのも有効です。

• 鼻をつまんで飲む: 一時的に鼻をつまんで服用すると、嗅覚が働かなくなるため、味を感じにくくする方法も試す価値があります。

• 検査数日前からの食事調整（低残渣食）： 下剤の効果を最大限に引き出し、服用量を減らすためにも、検査の2〜3日前から、食物繊維の多い食品や脂質の多い食事を避け、「低残渣食」（消化の良いもの）を徹底することが非常に重要です。

これにより、腸内がより迅速にきれいになり、下剤を飲む時間の短縮にもつながります。

大腸内視鏡検査は、診断だけでなく、その場で治療も完結できる予防医療として進化しています。

• 日帰りポリープ切除: 検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除処置を行うことが可能です。これにより、後日改めて入院や手術をする必要がなくなり、患者様の時間的、経済的な負担を大幅に削減します。

• 安全性の高い切除法: ポリープの大きさや形状に合わせ、最適な方法を選択します。特に5～10mm程度の小さなポリープに対しては、高周波電流を使わない**「コールドポリペクトミー」**を積極的に採用しており、術後の出血や穿孔（腸に穴が開くこと）のリスクが非常に低いとされています。より平坦なポリープや大きな病変には、「内視鏡的粘膜切除術（EMR）」を適用します。

• 術後の注意点: 日帰り手術であっても、ポリープ切除後は合併症を防ぐため、術後数日間は飲酒や激しい運動、長距離の移動を控え、入浴はシャワーのみにするなどの制限を厳守することが大切です。

便秘、腹痛、血便など気になる症状がある方はもちろん、便潜血検査で陽性判定が出た方も、どうか一人で悩まずにご相談ください。大腸がんの早期発見は、治療の成功率を大きく左右する重要な鍵です。

菊川内科皮膚科クリニックでは、日本消化器内視鏡学会の専門医・指導医が在籍しており、がん研有明病院などの高度な医療機関との連携体制も確立しているため、安心して質の高い検査を受けていただけます。

大腸内視鏡検査は、決して「避けたいもの」ではありません。それは、ご自身の健康と未来を守るための積極的なステップです。

当院は、多様な下剤の選択肢、患者様の状態に応じた鎮静剤の使用、最新のAI内視鏡技術、そして日帰りポリープ切除に至るまで、検査の全プロセスを通じて患者様の負担を最小限に抑える体制を整えています。

どうぞお気軽にお電話、または当クリニックのウェブサイトからお問い合わせ・ご予約ください。あなたの健康をサポートする大切な一歩を、私たちがお手伝いいたします。