便潜血検査は、目に見えないほど微量な血液が便に混じっていないかを調べる検査です。主に大腸がんやポリープを早期に見つけるための「ふるい分け（スクリーニング）」として行われます。

「陽性」と出た場合、それは「精密検査をして原因を特定すべき状態である」という体からのメッセージです。このサインを見逃さず、次のステップである「大腸内視鏡検査（大腸カメラ）」へ進むことが非常に重要です。

「陽性」の原因は一つではありません。主に以下の疾患が考えられます。

大腸ポリープ（腺腫）： 放置するとがん化するリスクがある「がんの芽」です。便がこすれて出血することがあります。

大腸がん： 早期がんは自覚症状がほぼありません。潜血検査が唯一の発見チャンスになることも多いです。

痔（いぼ痔・切れ痔）： 肛門付近の出血でも陽性になります。しかし、「痔があるから大丈夫」と自己判断するのは禁物です。痔の陰に、別の重大な病変が隠れている可能性があるからです。

炎症性腸疾患： 潰瘍性大腸炎やクローン病など、腸の粘膜に炎症が起きる病気です。

「もう一度潜血検査をして、陰性なら大丈夫だろう」と考える方もいらっしゃいますが、潜血検査の再実施は意味がありません。

がんやポリープからの出血は常に一定ではなく、たまたま出血していないタイミングで採便すると、病変があっても「陰性」と出てしまう（偽陰性）からです。一度でも陽性が出たという事実は、腸内に何らかの異常がある可能性を否定できません。

放置期間が長くなるほど（特に10ヶ月以上）、病状が進行するリスクが高まるというデータもあります。「あの時検査しておけばよかった」と後悔しないために、速やかな受診をお勧めします。

精密検査で行うのは「大腸内視鏡検査（大腸カメラ）」です。当院では、患者様の負担を最小限に抑える体制を整えています。

・専門医による高度な技術：日本消化器内視鏡学会認定専門医が、丁寧かつ迅速に検査を行います。

・鎮静剤で眠っている間に：苦痛や不安を抑えるため、ご希望に応じて鎮静剤を使用します。ウトウトしている間に検査が終わります。

・AI内視鏡による精密診断：最新のAI技術を導入し、医師の目とAIの解析で小さな病変も徹底的にチェックします。

・ポリープの日帰り切除：検査中に切除が必要なポリープが見つかった場合、その場で切除することが可能です（※サイズ等による）。

精密検査（大腸カメラ）が決まったら、以下の準備を整えましょう。

冷静に受け止める：陽性は「早期発見のチャンス」です。前向きな気持ちで検査に臨みましょう。

検査の準備：便通を整えるために、水分をしっかり摂り、食物繊維を意識した食事を心がけましょう（検査前日の食事制限については別途ご案内します）。

院内下剤服用も可能：「自宅で下剤を飲むのが不安」という方のために、院内に専用の服用スペースを完備しています。

大腸がんは、早期に発見・治療を行えば、完治が十分に期待できる病気です。 現在、地域のがん検診受診率は必ずしも高いとは言えません。「陽性」という結果は、あなたとご家族の健康を守るための貴重なきっかけです。

菊川内科皮膚科クリニックは墨田区医師会にも所属しております。交通アクセスは都営新宿線「菊川駅」から徒歩圏内にあり、墨田区内（立花、文花、江東橋など）や江東区（大島、住吉など）、JR総武線沿線（錦糸町、亀戸、新小岩など）からも多くの患者様にご来院いただいております。

紹介状がなくても受診可能です。区の大腸がん検診の結果や会社での健診結果を持って、どうぞお気軽にご相談ください。

～　医療法人社団　俊爽会　理事長　小林俊一　監修　日本消化器内視鏡学会　消化器内視鏡専門医　　～